日本人の好みに寄せていない「ガチ中華」の店が急増。本場の味を福澤朗さんが実況レポート。
シルクロード・タリム(東京・西新宿)
平成22年に開店したウイグル料理専門店『シルクロード・タリム』は、新疆(しんきょう)ウイグル自治区に住むイスラム教徒のウイグル族の代表的な麵料理がラグマン(ラグメン)である。
遊牧民として過酷な環境で過ごしてきた人々が定住化し、小麦で麵を打ち、羊肉やトマト、玉ねぎなどと食してきた麵料理は腹持ちのいい「男料理」と呼ばれた。こう説明するのは店主の塔里木(たりむ)スラジディンさん(46歳)。ラグマンは、小麦粉と水、塩でつくる生地を紐状にし、渦巻き形にして寝かせたのち、あやとりのように両手で麵を延ばしてから叩く。手延ばし麵という点で、日本の手延べそうめんに似たつくり方といえる。
「光沢のある生糸を取り出すような、まさにシルクロードの麵!」と福澤さんも興奮気味に麵打ちを実況。麵を茹で、水で締めて、その上に野菜や羊肉の餡をかければ、ラグマンの出来上がり。長い麵をたぐりながら、「名古屋の味噌煮込みうどんのような弾力と歯ごたえがあります」と福澤さん。
シルクロード・タリム
東京都新宿区西新宿3-15-8西新宿パールビル103
電話:03・6276・7799
営業時間:17時~23時(最終注文22時30分)、土曜・日曜・祝日12時~15時、17時~23時
定休日:月曜 40席。
交通:京王新線初台駅下車、徒歩約5分
●案内人 福澤朗さん(フリーアナウンサー・61歳)
※この記事は『サライ』本誌2024年12月号より転載しました。
取材・文/関屋淳子 撮影/湯浅立志