日本人の約8割が「疲れている」と回答するなど、疲労は現代的な“国民病”と言われます。仕事や人間関係のストレス、運動や睡眠の不足、スマートフォンへの依存など、様々な原因が指摘されますが、医学的に間違った「食事のあり方」を問題視するのが牧田善二医師です。新著『疲れない体をつくるための最高の食事術』が話題の牧田医師が解説します。

解説 牧田善二(まきたぜんじ)さん(糖尿病・アンチエイジング専門医)

昭和26年、北海道生まれ。北海道大学医学部卒業。久留米大学医学部教授などを経て、平成15年、糖尿病などの生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を開業。

疲労、肥満、老化という不健康一直線

糖質過多の食生活で老化も進む

疲れない体をつくりたければ、まずは糖質中毒から抜け出すことが必須です。「自分は糖質中毒になんてなっていない」などと油断してはなりません。

現代人の多くが、本来、人類が必要とされているよりも多くの糖質を摂っており、それによって疲れを溜め、健康を害しています。

糖質過多の食生活を続けていれば、私たちの体は、大きく3つの段階を踏みながらボロボロになっていきます。

1.短期的には「疲れやすくなる」

2.中期的には「太りやすくなる」

3.長期的には「老けやすくなる」

「疲れやすい」と感じて本記事をご覧になっているみなさんは、少なくともすでに第一段階にいるわけです。

気づかぬうちに糖質過多の生活を続け、疲れを感じているということを、軽視してはいけません。それは、単に「疲れた」では終わらない、不健康一直線のレールに乗っていることを示しているからです。

糖質過多が原因で疲れている人は、やがて太っていきます。「もう太っている」と自覚している人は、不健康一直線レールの第二段階まで進んでいます。

さらに、糖質過多が原因で疲れていると、人より早く老けていきます。老けるということは、見た目の問題に留まりません。体の中も老けている、つまり、あらゆる怖い病気に罹りやすいということです。

1.疲れやすくなる

2.太りやすくなる

3.老けやすくなる

この、どれも御免こうむりたい3つの嫌な段階は、すべて糖質過多の食生活が招いています。

疲れを癒したくて甘い物を食べる。

疲れているけど頑張るために大盛りライスを食べる。

こうした、みなさんが「よかれ」と思っている行為が、自らを疲れさせ、太らせ、老いさせ、どんどん不健康な状態に追い込んでいるのです。

***

世界最新の医学的データと20年の臨床経験から考案『疲れない体をつくる最高の食事術』

現代人の疲れは過労やストレスではなく、「食」にこそ大きな原因がある。誤った知識に基づく食事は慢性疲労ばかりか、肥満や老化、病気をも呼び込む。健康長寿にも繋がる「ミラクルフード」の数々を、最新医学データや臨床経験を交えながら、具体的かつ平易に解説している。

『疲れない体をつくる最高の食事術』
牧田善二/著 四六判208ページ 小学館刊 1650円(税込)

 

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