取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです。

昭和、平成、令和と時代が移り変わるのと同様に、家族のかたちも大家族から核家族へと変化してきている。本連載では、親との家族関係を経て、自分が家族を持つようになって感じたことや、親について、そして夫や妻、子どもについて思うことを語ってもらい、今の家族のかたちに迫る。

ひまわり教育研究センターは、10〜12歳の子どもを持つ母親に「家庭での性教育」についてのアンケート調査(実施日:2024年2月26・27日、有効回答数:100人(10〜12歳の男の子を持つ母親50人、同年の女の子を持つ母親50人)、インターネット調査)を実施。家庭で性教育をしてきたかどうかについて質問したところ、「はい」と回答した母親は44人(男子の母親22人、女子の母親22人)、「いいえ」と回答した母親は52人(男子の母親26人、女子の母親26人)だった。家庭で性教育をしてきたと回答した母親に「ご家庭でお子さんに性教育をしているのは誰ですか?(複数回答可)」と質問したところ、男子の母親は「母親」と回答したのが17人(77.3%)で、「父親」と回答した母親は10人(45.5%)だった。女子の母親に同じ質問をしたところ、「母親」と回答したのが18人(81.8%)で、「父親」と回答した母親は7人(31.8%)となっている。

今回お話を伺った武志さん(仮名・49歳)は、娘が小さい頃に妻と離婚した。娘を引き取ることを妻は「無理」と拒否し、そこから娘との2人暮らしに。武志さんの両親や兄は海外に移住しており、周囲に頼れる人はいなかった。【~その1~はこちら

娘の成長を気にすることしかできなかった

娘の生理について、男兄弟で育った武志さんには知識がなく、学校側の配慮で先生から教えてもらい生理用品を準備していた。学校から初潮教育を受けた時期とほぼ同時期に娘に生理用品を渡したという。

「生理についてはなんとなく異性の親から伝えるのは嫌かなと思っていたので、できる限りあっさりとした感じで、家に生理用品をストックしている場所のみを伝えました。そうしたら、娘も『わかった』とあっさりでしたね。実際に初潮が来た中学生のときには、隠すこともなく普通に言ってきました。中学の頃には家の食材や消耗品などを買う用のお金を渡していて、『生理用品もそこから買っていいよね』と聞かれたことを覚えています」

娘は武志さんと言い合いになることもあったが、反抗期のように口をまったく聞かなくなることはなかった。日々の学校の話などを聞く中で、異性の話題だけは一切なかったという。それを隠されていると武志さんは思っていたと振り返る。

「異性の話題が一切なかったのですが、まぁ父親にはそんな話はしないだろうとこちらからも聞きませんでした。中学生になったぐらいからクリスマスなどのイベントでは友だちと出かけて行くことが増えたので、内緒なだけで好きな子ぐらいいるんだろうなと勝手に思っていました。テレビに映る男性アイドルのことをかっこいいと言っていたり、お小遣いでそのアイドルのグッズを買っていたりしたので、異性に興味があることはわかっていましたから」

【相談しないことが我が家のスタンスに次ページに続きます】

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