19世紀末から第一次世界大戦が始まった1914年頃までのパリは、世にいう「ベル・エポック」を謳歌していました。

モンマルトルは、ナポレオン3世による「パリ大改造」によって中心部を離れざるをえなくなった市民の移住の地。ここに集った芸術家たちは、美術、工芸、舞台、音楽、モード、科学といったジャンルを超えて交わり、互いに刺激を受け合って才能を開花させました。

エミール・ガレ《ししうど文ランプ》 1907-1914年頃
株式会社神谷美術蔵

パナソニック汐留美術館で開催の「ベル・エポック―美しき時代 パリに集った芸術家たち ワイズマン&マイケル コレクションを中心に」展は、ベル・エポックの文化のありようを重層的に伝える展覧会です。(10月5日~12月15日)

本展の見どころを、パナソニック汐留美術館の広報担当者にうかがいました。

「見どころの第一は、絵画や工芸だけでなく、舞台、音楽、文学、モードなどあらゆる分野の芸術文化を重層的に紹介するところです。

当時のブルジョワ階級の女性や子どもたちが身にまとった衣服や装身具、ガレやラリックの工芸作品、ボードレールやヴェルレーヌの初版本、プルーストの自筆書き込み校正刷など貴重な作品の数々が並びます。

ルネ・ラリック《ペンダント「白鳥」》 1897-1899年頃
箱根ラリック美術館蔵

見どころの第二は、シェレ、ロートレック、テオフィル=アレクサンドル・スタンランら、パリの街を彩ったグラフィック作品が集結するところです。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《ブリュアンはモンマルトルに戻り『オ・バ・ダフ』を歌う》 1893年
デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵
(C)Stéphane Pons

見どころの第三は、自身の才能を社会で発揮した女性たちに注目したところです。物理学者のマリー・キュリー、画家のモデルを務めながら自身も画家として活躍したシュザンヌ・ヴァラドン、伝説的な舞台女優のサラ・ベルナールら、女性の活躍を紹介します。

アルフォンス・ミュシャ《サラ・ベルナール》 1896年
堺 アルフォンス・ミュシャ館(堺市)蔵 ※展示期間10月5日~11月12日

展示の中核をになうデイヴィッド・E.ワイズマンとジャクリーヌ・E.マイケル氏の絵画コレクションは、往時のモンマルトルの世相を色濃く反映した珠玉の作品群です。本邦初公開の同コレクションにもご注目ください」

ジュール・シェレ《コメディー》 1891年
デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵
(C)Christopher Fay

熱気に満ちた盛りだくさんな展示は圧巻!! 会場でじっくりご鑑賞ください。 

【開催要項】
ベル・エポック―美しき時代 パリに集った芸術家たち ワイズマン&マイケル コレクションを中心に
会期:2024年10月5日(土)~12月15日(日)
会場:パナソニック汐留美術館
住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
電話:050・5541・8600(ハローダイヤル)
公式サイト:https://panasonic.co.jp/ew/museum/
開館時間:10時~18時まで、11月1日(金)、22日(金)、29日(金)、12月6日(金)、
     13日(金)、14日(土)は~20時(いずれも入館は閉館30分前まで)
休館日:水曜日(ただし12月11日は開館)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照
※土・月曜・祝日は日時指定予約制(平日は予約不要)

取材・文/池田充枝

 

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