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コスチュームジュエリーは、宝石や貴金属といった高価な素材を使用せず、ガラスやメタル、時に半貴石などの素材を用いて、衣装との相性を重要視してつくられた装身具です。

富や地位の象徴としてではなく、あくまでもトータルで美しい装いの要素としてデザインされました。

20世紀初め、ポール・ポワレが嚆矢となり、シャネルによって広く普及したコスチュームジュエリー。宝石や貴金属といった素材の既成概念から解放され、パリのモード界に不可欠になり、やがてアメリカにも広がりました。

スキャパレッリ《ネックレス「葉」》
デザイン・制作:ジャン・クレモン 1937年頃
クリアエナメル彩メタル、メタルメッシュ 個人蔵

パナソニック汐留美術館の「開館20周年記念展 コスチュームジュエリー 美の変革者たち  シャネル、スキャパレッリ、ディオール 小瀧千佐子コレクションより」は、コスチュームジュエリーの包括的な展開を紹介する日本初の展覧会です。(10月7日~12月17日)

本展の見どころを、パナソニック汐留美術館の担当学芸員にうかがいました。

「本展は、三つの章で構成されています。

第I章は「美の変革者たち」と題し、20世紀パリを中心としたヨーロッパのオートクチュール界におけるコスチュームジュエリーの諸相と各メゾン(ブランド)での展開を紹介します。大胆さや古典回帰など、服飾デザイナーの求めるいかなる方向性のジュエリーデザインも、高い技術をもった職人や工芸家が形にしました。

シャネル《ネックレス「ビザンチンクロス」》
制作:ロベール・ゴッサンス 1960年頃
ガラスビーズ、メタル 小瀧千佐子蔵
クリスチャン・ディオール《ネックレス、イヤリング》
制作:ミッチェル・メイアー 1954年頃
ラインストーン、模造パール、メタル 小瀧千佐子蔵

第II章は「躍進した様式美」と題し、1930年代から第二次世界大戦後にかけて、メゾンに依頼されて制作したアトリエ(工房)の熟練した技術と各アトリエがもつ特徴がきわだつ作品を紹介します。

ロジェ・ジャン=ピエール《クリップ》
1960年代 クリスタルガラス、メタル 小瀧千佐子蔵

第III章は「新世界のマスプロダクション」と題し、アメリカでのコスチュームジュエリーの展開を紹介します。1940年代以降、ハリウッド映画の女優たちが身に着けたヨーロッパのコスチュームジュエリーに触発されて、アメリカの女性たちもコスチュームジュエリーに魅了されました。戦争の影響でユダヤ系の腕の良い職人たちがアメリカに移住したこともアメリカでコスチュームジュエリーが花開いた大きな要因といえます。

トリファリ《ペアクリップ「ペーターとヘレン」》
デザイン:アルフレッド・フィリップ 1939年
エナメル彩メタル、ラインストーン、クリスタルガラス 小瀧千佐子蔵

本展は、各章における作例を国内随一のコレクションから選りすぐり、400点あまりの優品を通して紹介します」

宝石の既成概念から解放されたコスチュームジュエリーの輝き!! 会場でじっくりご堪能ください。

【開催要項】
開館20周年記念展 コスチュームジュエリー 美の変革者たち シャネル、スキャパレッリ、ディオール 小瀧千佐子コレクションより
会期:2023年10月7日(土)~12月17日(日)
会場:パナソニック汐留美術館
住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
電話:050・5541・8600(ハローダイヤル)
公式サイト:https://panasonic.co.jp/ew/museum/
開館時間:10時~18時(入館は17時30分まで)
※11月10日(金)、12月1日(金)、12月15日(金)、12月16日(土)は20時まで開館(入館は19時30分まで)
休館日:水曜日(ただし12月13日は開館)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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