巨大地震や津波、そして毎年のように大きな被害をもたらす台風など、災害は私たちをいつ襲ってくるかわかりません。特に一人暮らしや、夫婦ふたり暮らしのシニア世代にとって、災害に対する備えはとても重要です。
この記事では、実際に役立った本当に必要な災害対策のグッズについて、アクティブシニアのライフサポートを行う株式会社ユメコム代表の橋本珠美がご紹介します。
目次
住まいの地震対策をしよう
非常用持ち出し品の準備
備蓄品リスト
常時携行品リスト
まとめ
住まいの地震対策をしよう
災害による被害をできるだけ少なくするためには、地震対策グッズや転倒防止策を講じておくなど、日頃からの備えが大切です。いざという時のために準備をしておきましょう。
1:大きな家具には固定金具などを使って固定する
タンスや食器棚が倒れることによってケガをすることが多いので、大きな家具類や電化製品は固定金具などを使って固定しましょう。
2:観音開きの扉等にはストッパーを取り付ける
引き出しや観音開きの扉にはストッパーなどを取り付け、中身が飛び出さないようにしておきましょう。
3:ガラスには、ガラス飛散防止フィルムを貼る
扉がガラスの場合は、ガラス飛散防止フィルムを貼っておきましょう。また、日頃からガラスの上を歩いても安心なスリッパなどを使うことも有効です。
4:出入口付近にはできるだけ高い家具は置かない
寝室や出入口付近に背の高い家具を置くと、いざというときに、避難することができません。別の場所に、配置するようにしましょう。
5:通路や出入口に物を置かない
災害時の避難経路を考えて、その通路や出入り口には物を置かないことが、スムーズな避難につながります。
6:家具の上に、重い物は置かない
タンスなどの上には、落ちてくると危険な重い物などは置かないようにしましょう。
7:お住まいの地域の自治体サービスを活用する
自治体によっては、家具転倒防止器具の取り付けを無料で実施していたり、費用の補助を受けられる場合があります。気づいた時に、自治体に問い合わせをしておきましょう。
8:耐震診断を行い、補強が必要であれば措置を取る
昭和56年以前に建てられた住宅については、耐震診断を受けましょう。危険と判断された場合は補強などを無料で受けられたり、補助を受けられたりする場合があります。住んでいる地域の自治体に問い合わせてみましょう。
非常用持ち出し品の準備
避難するときにまず持ち出すべきものから、ご紹介します。非常用持ち出し袋や防災リュックに入れ、玄関などの持ち出しやすい場所に置いておきましょう。1年に数回は、中身のチェックをしておくことをおすすめします。
非常用持ち出し品リスト
いざというときに必要な防災セットとなるものを貴重品類、避難用具、生活用品、救急用具、非常食品、衣料品等にわけてご紹介します。被災経験者が、「実際に役立った」と言われたものをまとめました。
<貴重品類>
通帳、カード、健康保険証、運転免許証などは番号を控えたメモかコピーを用意しておくとよいでしょう。
・預金通帳
・印鑑
・保険証
・免許証
・マイナンバーカード
・現金(10円玉などの小銭)
<避難用具>
懐中電灯はできれば1人に1つ用意しましょう。
・懐中電灯
・携帯ラジオ
・予備の乾電池
・ヘルメット
・防災ずきん
・携帯充電器
<生活用品>
避難所生活に最低限必要なものです。
・厚手の手袋
・毛布
・缶切り
・ライター、マッチ、ナイフ
・携帯用トイレ
<救急用具>
救急箱には、絆創膏・消毒液などを入れておきましょう。その他ビタミン剤など、日頃使っているサプリメントなどもあるといいですね。
・救急箱
・処方箋の控え
・胃腸薬、便秘薬、持病の薬
<非常食品>
最低3日分は用意しましょう。そのままの状態で食べられるものが便利です。
・非常用ごはん
・缶詰
・栄養補助食品
・あめ、チョコレート
・飲料水
<衣料品>
衣類は、動きやすいものを選びましょう。セーターなどの防寒具も、寒い季節には役立ちます。
・下着、靴下
・長袖、長ズボン
・防寒用ジャケット、雨具
<その他>
・携帯用カイロ
備蓄品リスト
備蓄品は、災害復旧までの数日間を自足できるように準備しておくものです。災害後に取りに行けるよう、倉庫や車のトランクなどに分けて備蓄しておくと便利です。1年に1回は賞味期限の確認をしておきましょう。
治療中の病気や持病の薬は、3日分程度備えておくことが必要。かかりつけ医と相談して、手持ちがなくなる前に薬をもらうようにしましょう。
備蓄品チェックリスト
備蓄があると、いざというときの心の支えにもなります。リストは以下の通りです。
<食品類>
・レトルト食品(ごはん・おかゆなど)、アルファ米
・インスタントラーメン、カップみそ汁
・飲料水(1日3ℓが目安です。3日分を備えましょう)
<生活用品>
・給水用ポリタンク(ポリタンクには日頃から水道水をためておくと災害時、生活用水に使えて便利)
・カセットコンロ
・ティッシュペーパー、ウェットティッシュ(ウェットティッシュは入浴できない災害時には体が拭けるなど重宝します)
・ラップフィルム(食器の上に敷けば洗う必要なし)
・紙皿、紙コップ、割り箸
・簡易トイレ
・水のいらないシャンプー
・ビニール袋(雨具や敷物、簡易トイレとしても使用可能。プライバシー保護のため透けないものを)
・ロープ(救助活動の際に使えます)
・工具セット
・ほうきとちりとり(ガラスや倒壊物の除去に役立ちます)
・ランタン
・長靴、スニーカー(瓦礫などから足を保護するために)
常時携行品リスト
外出先で被災する場合もあるので、必要なものは常に身に付けておきたいものです。コンパクトで軽いものが理想的ですね。
・懐中電灯
・携帯ラジオ
・笛、ホイッスル(閉じ込められた時など、場所を知らせます)
・避難カード
・避難用マップ
まとめ
実際に、もし明日災害が起こったとしたらどうでしょう。スムーズに対応や避難ができるでしょうか? 日頃からの心がけがあれば、災害時に慌てることもないのです。思い立ったその日に、準備を始めましょう!
●構成・編集/ 末原美裕(京都メディアライン・http://kyotomedialine.com)
●取材協力/橋本 珠美(はしもと たまみ)
2001年4月、株式会社ユメコムを起ち上げ、介護・福祉の法人マーケットを中心に、誰もが高齢社会を安心して過ごすためのコンサルティングを始める。
また「高齢者と高齢者を抱える現役世代」のための相談窓口「シニアサポートデスク」「ワーク&ケアヘルプライン」を運営し、高齢者やそのご家族の幅広いお悩み(介護・相続・すまいなど)にお応えしている。
相談窓口の事例と自身の経験(ダブルケア)を取り入れたセミナー活動は好評を得ている。
株式会社ユメコム(https://www.yumecom.com)