世界遺産は勉強すると実際に行ってみたくなるもの。NPO法人世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局では、2023年11~12月「第54回検定」の受検者に、「勉強して行きたくなった」世界遺産のアンケートを取りました。その結果を大公開します!
上位には有名な遺産が並びますが、「ヴェネツィアとその潟」が過去の調査と比べて大きく順位を下げるなど、オーバーツーリズムや気候変動の問題が頻繁に報じられるようになった影響も感じられました。一方、第54回検定のメインビジュアルだった「アルベロベッロのトゥルッリ」が上位にランクインするなど、やはり知ること・勉強することは「行きたい」気持ちを呼び起こす重要なきっかけになっていると言えそうです。
勉強して行きたくなった世界遺産 TOP10
【1位】モン・サン・ミシェルとその湾<フランス共和国|文化遺産>
他を引き離して1位となったのは今回もモン・サン・ミシェル! 映画のモチーフとしても有名な美しい景観を直に見てみたいという意見が多く寄せられました。名物グルメも楽しみのひとつになっているようです。
【2位】屋久島<日本国|自然遺産>
日本の自然遺産「屋久島」が2位にランクイン。こちらも前回から不動でした。日本で唯一、登録基準(ⅶ)が認められている点や「垂直分布」への興味を示すコメントが多く、勉強すると価値や魅力がいっそう感じられるようです。
【3位】イエローストーン国立公園 <アメリカ合衆国|自然遺産>
最初の世界遺産のうちの1件であるイエローストーン国立公園が3位に入りました。間欠泉などの景観美はもちろん、「ウィルダネス」(手つかずの自然)の概念を感じてみたいという意見も多く見られました。
【4位】マチュ・ピチュ <ペルー共和国|複合遺産>
謎多きインカ帝国の空中都市、マチュ・ピチュも根強い人気です。かつての生活の痕跡が残る山上の遺跡が印象的ですが、手つかずの自然も評価されている複合遺産です。
【5位】姫路城 <日本国|文化遺産>
日本で初めての世界遺産の一つ、姫路城。2023年が登録30周年の節目で記念行事も多く開催され、ニュースで目にする機会も多くなりました。改めてその価値を感じてみたいという人が多かったようです。
【6位】ケルンの大聖堂<ドイツ連邦共和国|文化遺産>
ドイツ有数の古都・ケルンでひときわ高くそびえる荘厳なゴシック聖堂。建物の大きさもさることながら、建築年月の長さも人々を驚かせています。そのスケールを肌で感じたいという意見が多く寄せられました。
【7位】アントニ・ガウディの作品群 <スペイン|文化遺産>
バルセロナに点在するガウディの建築群。1882年から建設が続くサグラダ・ファミリア贖罪聖堂の完成は、ガウディの没後100周年である2026年に予定されており、完成前の姿を見ておきたいという人が多いようです。
【8位】アルベロベッロのトゥルッリ <イタリア共和国|文化遺産>
第54回検定のパンフレットやバナーなどでメインビジュアルに採用されたこともあってか、TOP10入りを果たしました。かわいい見た目や名前だけでなく、税金対策の逸話が印象的だったようです。
【9位】タージ・マハル <インド|文化遺産>
白大理石で造られた左右対称の美しい霊廟。インドと言えばこの建物を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。建造に至るストーリーも人々を惹きつけています。
【10位】知床 <日本国|自然遺産>
北海道の雄大な自然を象徴する場所として、知床を挙げる方が多くいました。海と陸が結びついた食物連鎖と生態系は、勉強したからこそ興味が湧くポイントかもしれません。
勉強して行きたくなった世界遺産 1~50位の一覧
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【調査概要】
調査目的
本調査(アンケート)は、世界遺産学習が世界遺産に対する関心をどのように広げるのかを明らかにすると共に、世界遺産検定受検者が興味・関心をもつ世界遺産を調査することで、検定教材や制作物、プロモーションの質を向上させ、今後の受検者満足度を高めていくことを目的としている。
【調査対象】
2023年11~12月に実施した「第54回世界遺産検定」の受検者
有効回答数
●勉強して行きたくなった世界遺産 1,422名
【調査方法】
インターネット
集計方法:回答者1人当たりの持ちポイントを1ポイントとし、【1ポイント÷回答遺産数】で算出。
調査期間:2023年12月11日~2024年1月7日
出典:世界遺産検定