日本に暮らす私たちにとって、お米は幸せのもと。「白いごはんがないと食事がはじまらない!」という方も多いでしょう。『JA全農が炊いた!「日本一うまいお米の食べ方」大全』(主婦の友社)は、お米のおいしい食べ方を365日考えているJA全農のお米の専任部署である米穀部による、お米のおいしい食べ方、楽しみ方を盛り込んだ“お米愛”にあふれた一冊です。
近年では、糖質制限で泣く泣くごはんを食べることを避けている人もいますが、実は優秀なタンパク質源でもあり、脳活、腸活にも貢献してくれます。日本のお米の自給率はほぼ100%。日本で2000年以上も栽培されている、堂々たる日本の主食である「お米」のおいしい食べ方をもっと知れば、人生の幸福度がさらに上がるはずです。まずは、基本である「お米」の炊き方について紹介します。
監修/JA全農 米穀部
これが、抜群にうまいお米の炊き方!
農家さんが丹精込めて育てたお米をおいしく炊くにはどうすればいいでしょうか? JA全農米穀部では鍋炊き派も多いですが、鍋の種類や、水の量、火かげんにより炊き上がりが変わるので、コツがいるのも事実。そのため、国産米をとり扱うプロ・全農パールライスが推奨するのは、炊飯器! なぜなら「炊き上がりが一定」という点で偉大だからです。だれでも簡単に、機種によっては感動するほどうまいごはんが炊けます!
ただし、炊飯器は賢いからこそ、使う側が適当ではダメです。お米と水の量は正確に、洗米は手早く、炊けた直後にほぐす。この3つは最重要! なお、内釜の目盛りは標準的な目安。新米は水を少なめにするなど、調整してくださいね。
1:付属カップにすりきりで、安定した炊き上がりを実現
お米の量り方が雑だと、炊き上がりがべちゃついたり、かたくなったりして、安定しません。箸などできっちりすりきりましょう。お米を押さえつける、揺すって落とす、などはNG!
2:1回目の水は大量に入れてさっと洗い、10秒以内に水を捨てる
お米は水にふれた瞬間から吸水を始めます。もたもたしていると、お米の周りについている精米時のぬかのにおいをどんどん吸うことに! 最初の水は大量に入れ、2~3回まぜたら10秒以内に捨ててください。
3:2~3回目はひたるくらいの水で、指を立ててやさしく洗う
2回目からは指を立てて、お米が割れないようにやさしくかきまぜたあと、たっぷりの水ですすぎます。これを2~3回くり返して終了。水の色がほぼ透明になればOKです。
4:水かげんは平らなところで、目盛りぴったりから調整
洗ったお米に、お米の容量の1.2倍の水を注ぎます。炊飯器の場合は、内釜の目盛りに水位を合わせるだけ。内釜が傾いていると正しい水量にならないので、平らな場所に置くこと!
5:浸水時間は季節によって変える。夏30分、冬1時間が目安
炊き始める前にお米を浸水させるとみずみずしさがアップし、お米の芯までふっくら。お米は最大2時間は吸水します。最近の炊飯器は自動浸水の工程が含まれていますが、しっかり浸水させるとよりおいしいごはんに。
6:蒸らし直後に、釜の底から掘り起こしてほぐす
炊飯器に蒸らし時間が含まれている場合は、すぐにほぐします。しゃもじでごはんを十字に4等分し、底から返してほぐします。余分な水分をとばし、炊きムラをなくしましょう。
指導/全農パールライス お米アドバイザー・西野入英幸
梅干し×ごはんを最高においしく食べる方法
白ごはんのよき相棒といえば、梅干し。実はその梅干しが最近、進化しているのです! 今どきな食べ方を知って、もっと梅干し×ごはんをおいしく味わってみませんか?
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炊きたてのごはんに昔ながらの梅干しは、一粒を一気に食べきれないほどすっぱくしょっぱいですよね。梅干しメーカー・和歌山ノーキョー食品工業さんによると、近年は健康志向から、塩分5%程度の調味漬け梅干しが主流なのだそう。もとの白干しは塩分20%ほどですが、そこから塩分を除き、調味液に漬けるタイプです。なかでも人気なのが、はちみつで漬けた甘口の梅干し。フルーティで酸味も塩けもマイルドなので、おかず感覚で食べられるのが人気の理由だそう。同じ低塩でも、甘みを控えてうまみにこだわったうす塩梅干しも人気上昇中。ごはんとの相性では、酸味と塩分のバランスがよく、赤い色が映えるしそ漬け梅干しもファンが多いとか。今の梅干しはタイプいろいろ。メーカーの味の比較表などを参考に、あれこれ食べてみるのも楽しいですね。
のっけごはんで梅干しとコラボするなら、おかか、しらす干し、納豆などは鉄板です! 和歌山ノーキョーさんのおすすめは魚介系おかずとのコラボ! 焼きさば丼、いわしの煮つけなどに1粒足すと、脂っぽさがさっぱり。ごはんに地元でとれたイカの刺し身、納豆、つぶし梅、青じそ、卵黄をのせた丼は最高だそう! 梅茶漬けも、干物やかつお節で、魚のだしをアクセントにするといいとのこと。梅肉アレンジも美味。梅肉+のりの佃煮、梅肉+一味唐辛子、という意外なコンビもごはんがすすみます。
ごはんのお供の味変アイテム、調味料としても梅干しの可能性は無限大! ちょい足しで新しいおいしさを探してみては。
協力/和歌山ノーキョー食品工業
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JA全農が炊いた!「日本一うまいお米の食べ方」大全
監修/JA全農 米穀部
主婦の友社 1,650円
JA全農 米穀部
JA全農(全国農業協同組合連合会)のお米の専任部署。日本全国の農家が丹精込めて作ったお米を、米卸売業者、米加工メーカー、飲食店や小売店などを通じ、消費者に届けている。また、農家にお米を安心して作り続けてもらえるよう、新品種の開発や経営改善につながる各種提案・サポートなども実施している。お米の消費量が年々減少する中、お米の魅力を知ってほしいという想いから、JA全農(全国農業協同組合連合会)米穀部による公式X(旧Twitter)アカウント「【JA全農】NO RICE NO LIFE(@noricenolife17)」を開始、お米に関するさまざまな情報を 「食べる」「知る」「楽しむ」の3つのテーマで伝えている。ごはんがおいしく食べられる簡単で作りやすいレシピが好評。