ドラッグストアで陳列されていて、よく目にする漢方薬。
「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。
今回のテーマは「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」です。
あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、碇純子さんに教えてもらいました。
抑肝散加陳皮半夏はどんな方におすすめ?
抑肝散加陳皮半夏の使用に向いている方や悩みを5つ紹介します。
1.胃腸が弱く神経が高ぶりイライラしやすい人
抑肝散と漢方名についているように、抑肝散加陳皮半夏は肝に働きかける漢方薬です。
肝は肝臓としての働きだけでなく、精神活動や自律神経の機能・活動にもかかわっています。
血(けつ)が不足するとストレスへの耐性が弱ってしまい、気の巡りが悪くなってイライラなどの肝の高ぶり(精神が高ぶっている状態)が起こりやすくなります。
配合されている「抑肝散」は肝の高ぶりを抑え、「陳皮」と「半夏」が自律神経系を調節しながら「血」を補い、気血の巡りをよくする作用があります。
抑肝散も抑肝散加陳皮半夏と同じような効果のある漢方薬ですが、抑肝散加陳皮半夏は胃腸が弱い方でも使用できるのが特徴です。
抑肝散加陳皮半夏には胃腸の働きを整える生薬が含まれているため、胃腸が弱っている方にもやさしい処方となっています。
2.イライラしやすい人の不眠症・神経症
イライラなどの精神の高ぶりは、不眠症や神経症を引き起こす要因の一つです。
抑肝散、陳皮、半夏の配合により精神の高ぶりを緩和し、イライラやストレスによる不眠症や神経症を改善します。
3.イライラしやすい子の小児夜泣き
神経過敏の子どもは夜泣きを起こしやすくなります。
気の流れが乱れると夜泣きするといわれており、漢方では気の流れを整えて神経を落ち着かせ鎮静させる働きをもつ気剤として「抑肝散加陳皮半夏」などが用いられます。
4.更年期や月経に伴う血の道症
血の道症とは、ホルモンバランスの乱れによりイライラなどの精神の高ぶりを起こしたり、精神不安を起こしたりする症状です。
抑肝散加陳皮半夏には鎮静作用がある抑肝散が含まれているため、更年期や月経期の精神不安やいらだちの症状を緩和する効果があります。
5.強い興奮による歯ぎしり
激しい怒りやいらだちは、筋肉を緊張させて歯ぎしりを起こす場合があります。
抑肝散加陳皮半夏は、そのような場合の歯ぎしりに効果的です。
気の上昇を抑える作用により、興奮を鎮めて気分を落ち着かせる効果があります。
抑肝散加陳皮半夏とは?
抑肝散加陳皮半夏とはどのような漢方薬かを解説します。
1.効能・効果
抑肝散加陳皮半夏は、体力中等度以下で胃腸が弱く、神経が高ぶり怒りやすい、イライラなどが共にあらわれる次の症状に効果があります。
・神経症
・不眠症
・小児夜泣き
・小児疳症(神経過敏)
・更年期障害
・血の道症
・歯ぎしり
上記の症状に悩んで抑肝散を試したことがあり、下痢などの胃腸の不調を起こした方は、抑肝散加陳皮半夏を試してみるのもいいでしょう。
2.基本の飲み方
抑肝散加陳皮半夏は、食前または食間に水や白湯で飲むのが基本です。
ただ、漢方薬は昔お湯で煮出して飲んでいたことからお湯のほうが効果が高まるといわれているため、白湯で飲むのがおすすめされています。
ただし、気分が悪いなどで難しい場合は水で飲んでも問題ありません。
体調に合わせて飲みやすい方法を選択しましょう。
抑肝散加陳皮半夏に副作用はある? 安心して服用するには
抑肝散加陳皮半夏は、発疹・発赤、かゆみといった副作用が生じる場合があります。
漢方薬を飲み始めて1週間以内に発症することが多く、もし疑われる症状が見られた場合は速やかに服用を中止して医師に相談してください。
漢方薬を選ぶ際にはご自身の体質に合ったものを選ぶことが大切です。
体質に合っていない場合は効果が出ないだけでなく、副作用が起こることもあります。
購入時には、できる限り漢方に精通した医師や薬剤師などにご相談ください。
「お手頃価格で不調を改善したい」という方には、医薬品の漢方薬がおすすめ。スマホで気軽に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスも登場しています。
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抑肝散加陳皮半夏は神経の高ぶりに効果的
抑肝散加陳皮半夏は、肝が高ぶることによる神経過敏や不眠症、子供の夜泣き、歯ぎしりなどの症状を落ち着かせる効果があります。
ただし、体質に合わない場合は副作用を起こすこともあり、服用から約1週間以内に発疹・発赤、かゆみを発症します。
はじめて飲む際は体調の変化をみながら服用し、異変を感じたら速やかに使用をやめて医師に相談しましょう。
<この記事を書いた人>
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