取材・文/ふじのあやこ
家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。
離婚や夫婦問題・修復の課題解決型マッチングメディア「リコ活」を運営する株式会社リライフテクノロジーでは、離婚経験者を対象に「離婚時の子どもの取り決め」に関する調査を実施(実施日:2023年9月29日、有効回答数:調査回答時に離婚経験者・子どもがいると回答した1003人、インターネット調査)。調査では「離婚の際、お子さんに関する取り決めはどのように行いましたか?」と質問に対して、「口頭(29.1%)」と回答した人が最も多く、次いで「行っていない(28.7%)」と続いている。
今回お話を伺った望結さん(仮名・44歳)は26歳のときに同棲中だった同い年の男性と結婚。両親は望結さんが学生時代に離婚しており、父親とは疎遠で、母親はすでに他界。親族がいない望結さんを義両親は笑顔で迎え入れてくれたという。【その1はコチラ】
子どもは「お父さん」を選んだ
結婚して1年後に望結さんは妊娠し、無事男の子を出産する。夫とは交際期間3年で、そのうち1年の同棲中も大きなケンカは1回もなかった。しかし、子どもができたことでケンカが絶えなくなり、話し合いを重ねて離婚することになる。
「夫は育児に積極的に参加してくれてはいましたが、子どもに怒るのは私で、優しくするのは夫といったような役割がいつからかできて、こんなに育児に頑張っているのに子どもが『パパのほうが好き』という言葉を聞くたびに追いつめられていきました。その不機嫌を夫にぶつけていたんです。
最終的には子どもが間にいないと会話もできなくなり、子どもが寝た後の2人きりの時間が憂鬱で、その時間には体がこわばるようになってしまいました。これ以上一緒にいると心の底から嫌いになると思い、離れて暮らしたいと、私のほうから言いました。ひとまず別居するつもりだったんです。そしたら、夫から『離婚しよう』と言われました。そこから離婚についての話し合いが始まりました」
どちらと一緒にいたいかを子どもに選択させたところ、子どもは「お父さん」と言った。離婚後は、子どもとは1か月に1回以上会える約束だったという。
「好きなのはお父さんというのはわかっていましたが、最終的には自分を選んでくれると思っていたので、結構ショックでしたね。離婚についても、あの子は『嫌』とかいう言葉は一切言いませんでした。それぐらいもう家の雰囲気が最悪だったのかもしれません。
私たちはどちらかの不貞などではないので、一応円満離婚となります。離婚について揉めないと、子どもの面会などは口約束なんですよね。離れて暮らしたことで元夫との関係は以前よりうまくいくようになったので、あのときはまったく気にしていませんでした」
【元夫婦、子どもとの間に義両親は介入してきた。 次ページに続きます】