元夫婦、子どもとの間に義両親は介入してきた
離婚する1年ほど前より、望結さんは時短勤務からフルタイムに戻していた。養育費については元夫の経済状況から必要ないとのことだったが、望結さんはその分、子どもと会えるときには家で必要な物を買い与えたりしていたという。
「離婚してしばらくは元夫は面会交流のときに子どもの送り迎えをしてくれるだけで私と会うのは一瞬だったんですが、しばらくして迎えに来たときに一緒に食事をするようになり、家まで送り届けたときには3人で家で少し過ごしたりと、元夫とも穏やかに過ごせるようになりました。
夫の仕事が忙しいときには私に子どものことを頼んでくることもあって、離れて暮らしていても協力し合っていける関係になっていたんです」
しかし、そんな関係を許さなかったのが元義両親だった。仕事が忙しくなった夫は埼玉県の実家で義両親との同居を始めた。義母は、「送り迎えができない」「習い事を始めさせた」など、理由をつけて面会交流の機会を減らしてきたそう。
「離婚の報告は夫から、離婚後にしてもらっていたので、私は義実家に子どもを迎えに行くときに離婚以来義両親に初めて会いました。私のことを不義理な元嫁だと思っているのでしょうね。目を合せずに『何時までに帰してください』と言ってきただけで、玄関の中にも入れてもらえませんでした。
その後も理由をつけて面会交流を断ってきたり、子どもと会ったときにプレゼントしたものが次に会うときに義母から返却されたりしました。コロナ禍になったときは感染者の多い東京で暮らしている私をばい菌のように扱い、面会を断ってきました」
現在、子どもは高校生となり、子ども自らの意思で望結さんとの交流を望んでいないと言われており、会えていない状況だという。調査にもあるように離婚後の子どもについての面会交流や養育費などの取り決めは口頭や、そもそも行っていないという人も多い。子どもについての取り決めはどちらかが納得していなければトラブルの原因になってしまう。元夫婦や子どもとの間に元義両親という第三者が入る場合もあるので、たとえ離婚時には円満だったとしても公式の書面に残すことが重要だと考える。
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。