ライフスタイルのトレンドが時代によって変化するように、シニアの暮らし方も、“マイホームに住み続ける”から“住み替える”スタイルへ変わろうとしている。
快適で健康的なシニアライフを実現する「シニアレジデンス」への住み替えを考えるにあたり、気に入った物件があれば、まずは資料を取り寄せてみよう。この際の電話応対も物件の質を判断する参考になる。
事業者の方針や住まいごとの特色を見て興味が増したら、見学を申し込むとよい。“参加すると契約をすることになるのでは”という心配は無用だが、家族や友人と出かけることで、複数の異なる視点から物件をチェックできる利点もある。
チェックリストをもとに見学の目安は約2時間
現地では主に屋内・屋外、居室、共用スペースを内覧したい。屋内外とも清掃状況をまず確認。アテンドするスタッフの応対や雰囲気、印象も忘れずメモしたい。
共用スペースは、広さや椅子の密集度、清潔感が見るべきポイント。趣味や娯楽の設備、居室では部屋の広さや収納スペースのほか、介護期を考え、浴室やトイレの広さや居室の移動の有無を忘れずに聞き取りしておくこと。
見学の目安は約2時間。チェックリストを持参し、気になるところを重点的に見て回れば、他の物件と比較しやすく、より自分と相性のいい住まいを選ぶことができるだろう。
Check1 屋内・屋外
設え、スタッフ、行き届いた清潔さを確認
屋内、屋外とも共通で見ておきたいのが清潔さ。床や壁だけでなく、ホールのテーブルや椅子、見落とされがちな飾りつけなどの掃除の状況も確認する。整理整頓が徹底されているところは、スタッフの目が細部にも行き届いている証であり、同時にスタッフの質の高さも示している。仕事に意欲的なスタッフが多い住まいは自然と全体の雰囲気がよくなるものだ。直感で構わないので、スタッフの応対や服装だけではなく、雰囲気のよさもチェックしたい。
Check2 居室
暮らしやすさと安全性を見る
居室では、部屋の広さや収納スペース、インターネット環境などの”暮らしやすさ”と、緊急通報ボタンの有無、手すりの配置や後付けの可否といった”安全性”を見て回る。他の住まいと比較検討するうえでもコンセントの位置や数も調べておきたい。介護期を想定し、浴室やトイレの大きさもポイントとなる。居室に持ち込めるもの、持ち込めないものもこの場でヒアリングを。原則ひとり入居だが、ふたりで入居できる部屋もある。
Check3 共用スペース
アクティビティにも注目
共用スペースの代表が、毎日の食事で利用する食堂だ。入居後の不満として「口に合わない食事を毎日食べるのが苦痛」という声をよく耳にする。ふだんの食事を見学時に体験できる場合は、味付けや量のチェックも行ないたい。囲碁・将棋室、麻雀室といった娯楽ルームやプールなどのスポーツ施設は、趣味を通じて入居者同士が交流をはかるコミュニティゾーン。趣味サークルの活動も気になるところ。談話やくつろぎに使うラウンジや屋外テラスも体験して、印象をメモに残しておきたい。
対応可能なら録音・メモ・要所の撮影を
見学会で確認したいことやチェックポイント、パンフレットを見てわからなかった要点をあらかじめまとめておくと聞き洩らしがなくなり便利。見学先の許可が取れれば、説明の録音やメモ、写真撮影もしておきたい。
※この記事は『ハイクラス・シニアレジデンス案内 首都圏・関西版』より転載しました。 取材・文/安藤政弘
ハイクラス・シニアレジデンス案内〈首都圏・関西版〉
シニア向け住居市場が活況だ。特に元気なうちに入居する自立型は、健康・食・趣味を彩るサービスや共用部に目を見張る。不動の人気物件から最先端まで、別荘や住み替えの選択肢として注目のシニアレジデンスを案内。