取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。

男女の出会いメディアe-venz(イベンツ)を運営するノマドマーケティング株式会社は、全国の40代から50代の既婚男性1000人を対象にモラハラ妻についてのアンケートを実施(調査方法:インターネット 調査期間:2023年1月12日~2023年1月12日)。全体の16%が自分のパートナーを「モラハラ妻」だと答えたという。

今回お話を伺った光一さん(仮名・44歳)もモラハラ妻に悩む一人。ずっと頭の中には“離婚”という言葉があるものの、一度も言い出せてはいないまま、今に至る。

「妻は外面はとても良くて、近所付き合いも上手。そんな状況だからこそ、誰にも言い出すことができません」

父は反面教師。母親に対する態度が許せなかった

光一さんは千葉県出身で、両親と3歳下に妹のいる4人家族。光一さんの家庭は父親が絶対的な権力を持ち、他の3人はそれに従う者に分かれていた。昔から父親のようにはなりたくないと強く思っていたという。

「私たち子どもには直接ではなく、母親を介して命令されていて、私たちもそれに反抗することなく従っていたから、父親は怖いというよりも遠い存在という感じです。それよりも目の前で行なわれる母親に対する高圧的な態度が許せませんでした。父は母親の名前を呼んでいたことがなく、いつも『おい』とか『お前』とか呼んでいましたね。いつからか具体的には覚えてはいませんが、そんな父親に対して嫌悪感を抱くようになりました。自分は結婚してもこんな夫、父親のようにはならないって小さい頃からずっと思っていました」

そんな父親からの支配から脱するため、光一さんは関西にある有名大学に進学。そのまま就職も結婚後も関西に残り、実家とは年に2回の交流のみ。母親は今も父親と暮らしている。

「何度も母親には離婚を勧めたのですが、頷いてはくれませんでした。今は妹も結婚して家を出て、母親は父親と2人で暮らしています。

私に『実家を出なさい』と言ったのは母親です。地方の大学に行くなら、父親が納得するぐらいいい大学でなければいけないと母親からずっと言われていたので、大学に入るまではずっと勉強していました。勉強の成果はいい大学ではなく、父親からの脱出だったんです」

【結婚の挨拶で、妻の母親から「夫はいない」と言われる。次ページに続きます】

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