結婚の挨拶で、妻の母親から「夫はいない」と言われる
妻とは大学時代のアルバイト先で出会う。付き合ったのは就職してからで、そこから一度も別れることなく、29歳のときに結婚した。
「アルバイトしていたときは私に別の彼女がいて、就職する少し前に別れたことで相手から告白を受けて付き合うようになりました。妻とはずっと良い友人関係ではあったものの、断るのも……と思ってOKしただけだったので、ここまで付き合いが長くなり、結婚するとは正直思っていませんでしたね。
妻とは同い年で、別々の大学に通っていたものの、妻の実家はお互いの大学の中間の場所にありました。社会人になってからもしばらくは妻は実家から通っていたこともあり、付き合っている間から妻の母親とも交流があったんです。妻と義母を見た最初の印象は、友だちのような親子だなって思いました」
妻は一人っ子で、家族は両親のみ。ずっと3人暮らしだったというが、家の中では2対1の構図だったという。
「父親と、母親と娘です。妻が言うには、両親の関係はずっと前に破綻していて離婚していないだけの関係とのことでした。私は自分の母親もなぜ離婚していないのかとずっと疑問だったので、妻にもその疑問をぶつけたことがあるんです。『なんで君の両親は離婚しないの?』って。そしたら妻は『お金を持って帰って来る存在が必要でしょう』と少し笑いながら答えました。そのときはそう割り切るしかなかったんだって思ったんですけど、今振り返ると蔑ろにされていたのは父親のほうかもしれないです。今の私のように……」
お互いの家庭が少し複雑なこともあり、結婚式は行わず。一度、両家の顔合わせを妻の実家と2人の新居がある関西にて行なったときに、お互いの父親と初めて顔を合わせたという。
「全員大人なので表面的には仲良く終わりました。妻の両親も私の両親も仲が良さそうに談笑していて、久しぶりに仲が良さそうな両親を見ましたね。
そのときに初めて妻の父親と顔を合わせたんです。結婚の挨拶のときは義実家に着いてから妻の母親から『今、夫はいないんです』と言われて。関係がうまくいっていないことは知っていたので深入りはしませんでしたが、妻の父親の第一印象はとても感じのいい方でした」
一緒に暮らし始めてわかった妻の本性。紙とペンを用意して、妻が光一さんに言い放った言葉とは。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。