学校や会社などで共用のパソコンやスマートフォン(以下、スマホ)を使っている時に、自分の閲覧履歴を誰かに知られてしまうのではないかと不安になった経験はありませんか? そんな時、シークレットモードと呼ばれる機能を使えば、誰にも閲覧履歴を見られることなく、インターネットを利用することができるのです。
主流ブラウザであるGoogle Chromeには、このシークレットモード機能が実装されています。これにより、ウェブサイトの閲覧履歴やフォームに入力した情報などが自動的に保存されなくなります。
この記事では、Google Chromeのシークレットモードについて解説していきます。
目次
そもそもGoogle Chromeのシークレットモードとは?
シークレットモードのメリット・デメリットについて
シークレットモードの使い方
最後に
そもそもGoogle Chromeのシークレットモードとは?
Google Chromeのシークレットモードとは、ウェブサイトの閲覧履歴・Cookie・サイトのデータ・フォームに入力した情報などをデバイスに保存しないようにする保護機能のことです。このモードを利用することで、同じデバイスを共有する他人にブラウジング履歴を見られることがなくなります。
ただし、シークレットモードを利用していても、アクセスデータ(IPアドレス・閲覧ページ、利用したブラウザの種類など)を見る方法がないわけではありません。インターネットサービスプロバイダや閲覧したウェブサイトのオーナー、または保護者の追跡ソフトではアクセス情報を記録される可能性があるので注意が必要です。
シークレットモードのメリット・デメリットについて
次に、シークレットモードのメリット・デメリットについて解説しましょう。
メリット
シークレットモードのメリットは、自分の入力情報や閲覧履歴が他人に取得されるリスクが低いということです。これにより、ウェブサイトにログインする場合でもIDやパスワードが保存されないため、第三者による不正アクセスを防ぐことが可能に。
シークレットモードが有効な場面としては、複数人が同じ端末を共有しているケースが想定されます。会社・学校などでは、1つの端末を複数人が使うというような場面も出てくることでしょう。このような時、ブラウザにIDやパスワードを自動記憶させることは、セキュリティの観点から問題があります。そこで、個人情報を保存しないシークレットモードは、共有端末を利用している場合に大いに役立つのです。
また、ECサイトでショッピングする時に、クレジットカード情報などを残したくないという人にもメリットがあります。シークレットモードを使うと、履歴が保存されないので、どんな商品を閲覧していたのかを他人に知られる心配はありません。また、クレジットカード情報のような重要な個人データも残されなくなるのです。
これら以外にも、自分が管理しているサイトを更新した時の確認手段として、シークレットモードは有効活用できるでしょう。
サイトで文章・画像を更新しても、更新前のデータがキャッシュ(一度見たWebページの情報を、それぞれのブラウザに一時的に保存しておく仕組み)に残っていると、更新前と表示が変わらないことがあります。そこで、シークレットモードを利用すると、キャッシュにはデータが残らないため、最新の状態でサイトを表示できるというわけです。シークレットモードで確認する時は、一度全てのタブを削除してから、シークレットモードでサイトを表示してみましょう。
デメリット
便利なシークレットモードですが、デメリットもあります。
ウェブサイトの閲覧履歴が保存されないため、履歴を元に再度閲覧することができなくなります。そのため、過去にシークレットモードで閲覧したサイトを開くには、再び検索してサイトを探すか、サイトのURLを記録しておくなどの工夫が必要です。ただ、シークレットモードでもブックマーク機能は使えますので、こちらで気になるサイトを記録しておくのもいいでしょう。
さらに、シークレットモードでは、フォームに入力した情報が保存されることがありません。そのため、フォーム入力のたびに手動入力が必要になってきます。そのような場合は、シークレットモードではなく、通常モードで閲覧した方がよさそうです。
シークレットモードの使い方
シークレットモードにするやり方を確認していきましょう。
パソコン
Google Chromeを開き、右上にある縦の三点リーダーをクリックします。そして「新しいシークレットウィンドウ」を選びましょう。すると、新しいウィンドウが表示されます。この時、ウィンドウの右上にハットとメガネをつけた人のアイコンがあれば、シークレットモードは起動中です。
シークレットモードのウィンドウと通常モードのウィンドウは、切り替えて使用することが可能です。シークレットモードのウィンドウを使用中に限って、シークレットモードでの閲覧となります。
シークレットモードを解除する時は、シークレットモードのウィンドウを閉じるだけです。なお、ブラウザ右上のシークレットアイコンの隣に数字が表示されていることがあります。これは、シークレットモードで開いているウィンドウの数のことです。
スマホ
シークレットモードは、パソコンだけではなく、スマホでも使えます。この記事では、Androidを例に解説しますが、iPhoneでも基本的な流れは同じです。
まず、Google Chromeを立ち上げます。そして、画面の右上にある縦の三点リーダーをタップ。すると、「新しいシークレットタブ」という項目があるので、ここからシークレットモードを立ち上げます。タップ後、シークレットモード画面が表示されるようになります。シークレットモードを終了する時は、タブを閉じるだけです。
↓
なお、スマホのシークレットモードにおいて、デフォルトの設定では画面のスクリーンショットを撮ることができないようになっています。
最後に
Google Chromeのシークレットモードは、プライバシーを保護するために便利な機能です。この機能によって、個人情報を残すことなく共用端末を利用することができます。より安全で快適なインターネット生活に資することでしょう。
●構成・執筆/三鷹 れい(みたか れい|京都メディアライン・https://kyotomedialine.com FB)
プログラマー。中小企業のDX化など、デジタル分野での支援をしている。主な開発分野はバックエンド・フロントエンド・アプリ。その他、歴史などの人文系にも興味を持つ。