最近、パソコンやスマートフォンの普及により、自ら字を書く機会はめっきり減少してきました。その影響からか「読める、けれども、いざ書こうとすると書けない漢字」が増えていませんか? 以前はすらすらと書けていたのに、と書く力が衰えたと実感することもあります。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第129回は、「微睡む」をご紹介します。通常だと平仮名で表記されることが多いため、漢字表記を見慣れていない方も多いかもしれません。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
「微睡む」はなんと読む?
「微睡む」という漢字、読み方に心当たりはありますか?「微」かに「睡」ると書いて……
正解は……
「まどろむ」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「少しの間うとうとする」と説明されています。「しばし微睡む」のように、眠気を催して少しの間浅く眠る様子を表している言葉です。また「寝入ること、熟睡すること」も意味します。
送り仮名「む」がない場合は「微睡(びすい)」という熟語になりますが、意味は同じです。
「微睡む」の語源とは?
「微睡む」を構成する漢字を見ていきましょう。「微」は音読みで「び、み」、訓読みで「かす(か)」などと読みます。一方「睡」は音読みでは「すい」、訓読みでは「ねむ(る)」です。「まどろ(む)」という読み方は、それぞれの字にはない、特別なものになります。
「まどろむ」の語源は諸説あるとされています。例えば、眠くなって「目がとろんととろける様子」を指す「目蕩む(めとろむ)」です。「蕩」とは「とろける、溶ける、融解する」を意味する字であり、ここから「まどろむ」が生まれたとされます。
他にも「目よどむ」「目垂(たれ)る」「目撓(たわ)む」など、人が眠くなった時の目を描写する表現から生まれたと言われています。いずれにしても「まどろむ」は、眠気でうとうとする様子を指す言葉です。
「転寝」の読み方は?
最後に「微睡む」と似た意味の難読漢字をご紹介します。「転寝」は何と読むでしょうか?「微睡む」と同様、うとうとする様子を表す、あの言葉です……
正解は「うたたね」です。「転(うたた)」とは「ある状態がどんどん進行してはなはだしくなる様、ますます」という意味。この意味から、寝るつもりもないままどんどん眠くなることを「転寝」と表現します。
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いかがでしたか? 今回の「微睡む」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 元の漢字にはない読み方は、少し思い出しにくいもの。語源も一緒に理解して、記憶に定着させていきましょう。
来週もお楽しみに。
文/トヨダリコ(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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