空気を読まない娘がだんだんかわいくなくなっていった

結婚をしたいと相手を求めたのは麻美さんのほう。夫は元妻との関係は離婚後のほうが良好で、嫉妬心から家族になろうとしたという。

「元奥さんよりも、強い絆が欲しかったんです。今振り返ると、元家族だった相手がいることさえも受け入れられていないままの結婚でした。

それでも、最初の頃はうまくいっていたんです。夫は優しいし、娘も懐いてくれていました」

しかし、娘の𠮟り方がわからないままあしらっていると、靴を隠されたり、頑張って作った料理のほとんどを床に落とされることが増え、関係は悪化していった。

「仕事を続けることが結婚の条件だったので、仕事をしながらの家事に育児と、毎日こなすのが必死でした。余裕がないときにも娘のかまって攻撃はずっと続いて、ちゃんと付き合っていました。

そんな中で、本当に体がしんどくて辛かったときがあったんですが、娘はお構いなしに『今聞いて! 今聞いてほしいの!』と服を引っ張ってきて、その反動で転んでしまったことがありました。ついイラっとして『明日なら聞くから!』と強く言ってしまって。そこでは引き下がってくれたのですが、次の日に話かけてこなかったから私もそのままにしていたら。最初はお弁当をわざと玄関に置いて持って行かないことから始まりました。忘れたんだろうと思ったのですが、何度も続くと……、わざとですよね。そう思うともう作りたくなくなり、お金を渡すようになると、用意した晩ご飯もテーブルや床に落とすようになりました。私もそれにイライラしてしまって、作る料理をお鍋やフライパンなどに入れたままにして、『食べたい分を自分で入れなさい』と言いました。そしたら全然食べなくなってしまい、そのことを夫に愚痴られたんです」

夫は娘の味方をした。

「今までのお弁当のこと、晩ご飯をわざと落とされていたことをすべて告げても、『してあげている感が伝わってしまったんじゃないか』とか、『お前は大人なんだから』と私をたしなめることばかり言いました。そのときに連れ子再婚の現実を知った気がします」

「この子さえいなければ……」そんな状況の妻を見て夫が言い放った言葉とは。【~その2~に続きます】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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