世界最高峰の食の都・京都。表通りでなく、一歩足を踏み入れた路地裏に、地元の人が通う小体で旨い店はある。その中でも、とりわけ新しくて、あまり知られていない食事処を選りすぐった。

最新美味処「京都は小体な店ほど面白い」

自然派ワインの風味を上げる丁寧な手作り料理の数々

ワイン ラクダ(下京区船頭町)

手前は、「パテ・ド・カンパーニュ 紫キャベツのザワークラウト」800円。奥はきのこクリームのファルファッレ(蝶の形のパスタ)1300円(写真は2分の1量)。

四条木屋町を南へ、路地を抜けて突き当たったビルの2階。『ワイン ラクダ』と書かれた看板だけが目印で、この隠れ家感が心地よくて、通う地元客も多い。この店は、ソムリエの中崎みどりさんが開くワインバー。かつては企業の事務職として勤めていたが、ワインが好きで飲食業に転職。ワインバーなどで経験を積み、平成29年に自店を持つ夢をかなえた。

「店を開くなら、会社帰りなどに立ち寄りやすい駅から近い場所でと思っていました」と中崎さん。

男女を問わず、ワイン好きが足を運び、一度来店すると常連になるのは、ワイン選びの確かさと、酒呑みのツボを心得た料理の味わい。パテ・ド・カンパーニュやパスタソース、ケークサレ(塩味のケーキ)なども、すべて手作りする。

「小腹も満たせてアテになるのがピザトーストです」とすすめられ注文すると、自家製食パンに自家製ベーコン、自家製トマトソースと自家製尽くしの一皿が登場。熟成したオリーブの風味も効いて、確かにワインがより美味しくなる。ちょっとつまんで飲むのもいいし、パスタでしっかりお腹を満たすのもいい。自然派ワイン好きにはたまらない街の酒場なのである。

ピザトースト 650円。自家製パンで作り、チーズもたっぷり。チーズとブラックオリーブの組み合わせが赤ワインと好相性。
店主の中崎みどりさん。カウンター7席以外にテーブル席も。気軽にのぞいてほしいと言う。グラスワイン(800円~)も多彩。

ワイン ラクダ

京都市下京区船頭町229・2階 
電話:075・344・6886
営業時間:18時~24時(最終注文23時) 
定休日:火曜、第3日曜
交通:阪急京都線京都河原町駅より徒歩約3分

※「中崎」の「崎」は正しくはたつさき。

 

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※この記事は『サライ』2022年10月号より転載しました。

 

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