「あれ? なんて漢字だったっけ」と悩むことが多くなっていませんか? 少しだけ思い出す努力をしてみるものの、結局は「まあ、いいか」と諦めることもあったりして、記憶の衰えを実感することもあるのではないでしょうか? しかし、思い出すことが記憶力の鍛錬につながると言われています。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第105回は、「伴侶」をご紹介します。「人生の伴侶を得る」「よき伴侶に恵まれる」といった言い回しで、よく目にする言葉なのではないでしょうか。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
「伴侶」はなんと読む?
「伴侶」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 「はんろ」ではなく……
正解は……
「はんりょ」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「一緒に連れ立って行く者。つれ、なかま。また、配偶者」と説明されています。かつての男性優位の時代における「伴侶」は“夫に従う妻”を指しましたが、男女平等の現在では夫・妻どちらについても使います。
また「伴侶」は、必ずしも婚姻関係にある人を指すわけではありません。一緒に道を共にする者、連れの人、境遇を同じくするパートナーや仲間などの意味も持ち併せます。
ちなみに「伴侶」をひっくり返した「侶伴(りょはん)」という言葉も存在します。意味は「伴侶」と同じです。
「伴侶」の漢字の由来とは?
「伴侶」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「伴」は「つれ」を、「侶」は「なかま」を意味します。このことから、「伴侶」は似た意味の言葉を重ねた熟語だと言えるでしょう。
「旅の仲間、つれあい、同伴」という意味がある「侶」ですが、訓読みでは「とも、ともがら」と読みます。「侶(りょ)」の部分を「ろ」と誤読してしまわないように注意しましょう。
「侶」を使った難読地名「嫌侶」とは?
最後に「伴侶」で用いられた「侶」が入った難読地名をご紹介します。それは北海道にある「嫌侶」です。一体、何と読むでしょうか? 普通に読めば「けんりょ」ですが……
正解は「きろろ」です。北海道十勝地方の地名である「嫌侶」は、アイヌ語で「水汲みのためにおりる坂道」を意味する「キロル」が由来だとされます。アイヌ語の響きに当ててつけられた漢字はなかなか読めないもの。他にも、北海道には押帯(おしょっぷ)や和寒(わっさむ)など一風変わった地名があります。
このように、漢字をきっかけに様々な難読地名を調べてみるのも面白いかもしれません。
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いかがでしたか? 今回の「伴侶」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 「共に歩む大切な人」を指すこの言葉は、人生において特別な意味を持ちます。漢字をきっかけに、自身の「伴侶」にあたる人物に思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。
来週もお楽しみに。
文/トヨダリコ(京都メディアライン)
アニメーション/鈴木菜々絵(京都メディアライン)
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