5割の方がブルーライトが影響していると考えていた
近年問題となっている、ブルーライトによる視力の低下。特にまだ小さい子どもたちにとっては、それらが視力に与える影響は計り知れません。
PCやスマートフォンはもはや私たちの生活に欠かせないものですが、それは目も同じこと。将来的なことを考えても、やはり子どもの目の健康は守ってあげたいですよね。
そもそも、人の視力はいつ頃までに完成されるのでしょう? また、子どもの時期は特にどんなことに気を付けたらいいのでしょうか?
今回、『ひとみの専門店』(https://ehitomi.com/ec/)を運営する一般社団法人健康長寿は、眼科医を対象に、「子どもの視力低下の原因」に関する調査を実施しました。
昔より悪くなってる? 現代の子どもの視力について
はじめに、近年の弱視患者について伺っていきたいと思います。
「10年前に比べ、弱視の患者は増えていますか?」と質問したところ、9割以上の方が『増えている(92.5%)』と回答しました。
多くの方が弱視患者が増えていると回答しましたが、その原因は一体何なのか詳しく伺っていきましょう。
その原因として考えられることとは
・画面などの見過ぎ(20代/女性/埼玉県)
・長時間のスマートフォンの利用(30代/男性/神奈川県)
・ゲーム(40代/男性/京都府)
・睡眠不足(50代/男性/京都府)
などの回答が得られました。
スマートフォンやゲームなどの普及により、長時間画面を見る機会が増えたことが影響していると考えている方が多いようです。
また、睡眠不足など目の休息時間が少ないことも原因にあげられることが分かりました。
この時期が一番大切! 子どもの視力が決まるのは4歳から6歳まで!
10年前に比べると、9割以上の眼科医が弱視の患者が増えていると感じていることが分かりました。
では、視力を完成させるために大切な時期は、いつ頃までなのでしょうか?
そこで、「視力を完成させるために大切な時期はいつ頃までですか?」と質問したところ、『0〜3歳まで(14.9%)』『4歳〜6歳まで(40.6%)』『7歳〜10歳まで(32.5%)』と回答しました。
小学校に上がる前の4歳〜6歳までと回答した方が最も多く、次いで小学校入学後の7歳〜10歳が多いと考えられているようです。
大体、小学校中学年くらいまでは、子どもの目を守る必要があることが分かります。
子どもの目と大人の目の違いとは?
先程の調査の結果、小学校中学年までが視力を完成させるために大切な時期であることが分かりました。
では、子どもの視力低下スピードは、大人に比べてどれくらい違いがあるのでしょうか?
そこで、「子どもの『視力低下のスピード』は大人と比べてどのくらいの違いがありますか?」と質問したところ、『大人の2倍ほど早い(62.0%)』『大人の3倍ほど早い(18.6%)』『大人の4倍以上早い(4.9%)』と回答しました。
大人よりも早いスピードで低下していくと考える眼科医が多く、中には4倍以上早いと考える方もいるようです。
大人よりも子どもの視力の方が、圧倒的に低下するスピードが早いことが窺えます。
では、子どもと大人の目にはどのような違いがあるのでしょうか?
詳しく聞いてみました。
子どもと大人の目の違いとは
・水晶体の透明度が違う(20代/男性/東京都)
・子どもは水晶体にピント調節の癖が付きやすい(30代/男性/神奈川県)
・強度が違う(30代/男性/東京都)
・眼球の柔軟性(50代/男性/東京都)
などの回答が得られました。
子どもと大人の目を比べると、ピント調整の役割をしている水晶体部分に大きな違いがあることが分かります。
また眼球の強度も異なるため、子どもの目は非常にデリケートなことが窺えます。
では、目に悪いと言われているブルーライトは、大人に比べて子どもにはどれくらい悪影響を及ぼすのでしょうか?
続いて、「子どもの目に与えるブルーライトの悪影響は、大人の目と比べてどれくらい大きいですか?」と質問したところ、『大人の2倍ほどの悪影響(53.7%)』と回答した方が最も多く、次いで『大人の5倍の悪影響(18.0%)』『大人の10倍以上の悪影響(4.8%)』と回答しました。
ブルーライトの影響も、大人と比べるとかなり高いと考えている眼科医が多いことが分かります。
中には10倍以上の悪影響があると考えている医師もいることから、ブルーライトには特に注意してあげた方が良さそうですね。
ズバリ!子どもの視力を低下させる行動とは?
先程の調査の結果、子どもの視力の低下スピードやブルーライトによる視力への影響は、大人よりも大きいことが分かりました。
では、子どもの視力の低下の原因になりやすいものは何なのでしょうか?
そこで、「最も子どもの視力の低下につながる原因になりやすいものを教えてください」と質問したところ、『ブルーライト(56.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『紫外線(23.6%)』と続きました。
子どもの視力低下には、ブルーライトが最も影響していると考えている眼科医が多いことが分かります。
また、外で遊ぶのが好きな子どもにとっては、紫外線による影響も注意しなくてはならないようです。
具体的に、視力低下に繋がる原因となりやすい行動は何なのでしょうか?
続いて「子どもの視力の低下につながる原因となりやすい行動を教えてください(上位3つまで)」と質問したところ、『PCやスマートフォンの使用(67.2%)』と回答した方が最も多く、次いで『テレビの視聴、テレビゲーム(50.9%)』『至近距離でものを見続ける(22.0%)』と続きました。
PCやスマートフォン、テレビやゲームなどが影響していることが分かります。
近年デジタルで遊べるツールが増えていることから、子どものうちから当たり前に使用しているケースが多いのかもしれません。
普段の行動の積み重ねが、子どもの視力に大きく影響していると考える医師が多いようです。
子どもの目を守るためには? 医師からのアドバイス
先程の調査で、6割以上の方が子どもの視力低下にPCやスマートフォンの使用が関係しているのではないかと考えていることが分かりました。
では、保護者の意識や努力で子どもの視力低下は予防できるのでしょうか?
そこで、「保護者の意識や努力で子どもの視力低下は予防できますか?」と質問したところ、7割以上の方が『予防できる(77.3%)』と回答しました。
大切な視力を守るためにも、保護者側が意識を変えて子どもに接することが大切になりそうです。
次に、具体的に保護者に気を付けて欲しいことやアドバイスを伺ってみましょう。
保護者に気を付けて欲しいこととは
・ブルーライトに接する時間を制限する必要がある(40代/男性/京都府)
・適度に休憩を入れ、目の周りをほぐすなどリラックスさせること(50代/男性/埼玉県)
・生活習慣の改善とストレスのない生活(50代/男性/京都府)
・近くを見続けないように気をつけること(50代/男性/福岡県)
などの回答が得られました。
PCやスマホ、ゲームなどを扱う時は、使用する時間に制限を掛けて目を使い過ぎないよう気を付けた方が良いようです。
また、目の周りのマッサージをしてストレスを溜めないなどといったアプローチも良いことが分かります。
使用を完全に禁止するのではなく、目に負担がかからないよう工夫をしていくことが大切なようです。
今すぐ改善していこう!子どもの目の健康を守るためには
子どもの視力低下の原因について調べてみると、デジタル社会における弊害が見えてきました。
便利に使用できるPCやスマホ、テレビ、ゲームなどは子ども達にとっても身近な存在であるからこそ、ブルーライトによる影響を受けやすくなっているのかもしれません。
大人よりもデリケートな目元をもつ子どもにとって、視力低下のスピードは早く、ブルーライトの影響も受けやすい構造になっていると多くの眼科医は考えています。
しかし、子どもの視力低下は親のサポートによって予防できると7割以上の医師が考えており、意識を変えて接することが大切です。
デジタル機器を全く使わせないのではなく、時間を制限したり休憩を挟んだり、近い距離で見ないよう心掛けたりと、ルールを決めた上で使用されるのが良いでしょう。
大切な子どもの視力を守るためにも、できることから始めてみるのがおすすめです。
調査概要:「子どもの視力低下の原因」に関する調査
【調査期間】2022年4月1日(金)〜2022年4月2日(土)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,013人
【調査対象】眼科医
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ