いまや世界各地で行なわれている真珠の養殖。その産業化をはじめて成し遂げたのは日本の伊勢志摩だった。明治26(1893)年に御木本幸吉が三重県英虞湾でアコヤ貝による養殖法を考案して以降、真珠養殖の主要産地となる。
国産のアコヤ貝からとれる真珠の品質は、世界的にも最高ランクの評価を受け続けている。中でも希少性が高いのが黄金色に輝くゴールドパールで、産出量は極めて少ない。じつは市場に出回っているゴールドパールは、人工的に着色したものがほとんどなのだ。
「自然発色の黄金色に魅せられた私どもは30年以上前から少しずつ集め、ようやく製品化にこぎつけました」と語るのは、志摩市にある三重ブランド認定卸「滝田真珠」代表の滝田浩子氏。真珠への情熱を父から受け継ぎ、50年のキャリアを誇る職人でもある。
色を正確に判定するため、選別は自然光の入る北向きの窓際で行なう。サイズや光沢、質感のきめ細かさなどを基準に美しい玉だけを選び抜き、熟練職人が手作業で穴をうがって糸を通し、アクセサリーへと組み上げる。
「ネックレスは合わせる服を選ばず、丁寧に編み込んだイヤリングとピアスも流行に左右されないデザインで長年人気です。私たちにとって真珠のひと粒ひと粒が宝物。大切に加工しています」(滝田氏)
【今日の逸品】
ゴールドパールのアクセサリー
滝田真珠
47,300円(消費税込み)