一般的に健康診断の受診者数は6月頃から増え始め、10月がピークに達するといわれています。これから受診される方は、一般健診のままでよいのか、それとも検査数が充実している人間ドックを受けた方がよいのか、迷われている方も多いのではないでしょうか。
そこで、株式会社医師のとも(https://www.ishinotomo.com)が、人間ドック・健康診断に関する疑問点にお答えするべく、医師938人を対象に「人間ドック・健康診断に関するアンケート調査」を実施しましたので、その結果をご紹介いたします。
人間ドックの受診適齢期は何歳?
まず初めに、「人間ドックは何歳から受診したほうが良いと思いますか?」とお聞きしました。
「40歳~44歳」の年齢から人間ドックを受け始めた方がいいという回答が4割弱を占め、もっとも多くなりました。
回答理由について、一部抜粋してご紹介します。
▼「40歳~44歳」と回答した理由
・生活習慣病や基礎疾患が増えてくる年齢層のため。(類似回答多数)
・がんのリスクが高まってくる年齢層のため。(類似回答多数)
・40歳以下では、なかなか時間的・金銭的余裕がないため、また受診したコストに比べて疾病発見によるメリットは少ないように思われる。(60代・循環器内科)
・仕事や家庭などで、責任やストレスが多くなる時期だから。(40代・一般内科)
他の年齢での回答理由についても、ご紹介します。
▼「~20代」と回答した理由
・20代から定期的に自分の体のことを知っておく必要があるため。(類似回答多数)
・いつ病気になるかなんて誰にもわからないから。(30代・一般内科)
▼「50代~」と回答した理由
・そもそも人間ドッグを受診することでの予後改善効果がほとんどないから。ただし、女性の方は婦人科健診を早めに受けておいても良いと思う。(30代・糖尿病内科)
・症状が出はじめてからの受診で良いと考えている。(50代・一般内科)
医師の半数以上は、年1回の定期受診が有効だと考えている
次に「人間ドックはどのくらいの頻度で受診するのが良いと思われますか?」と質問しました。
「年に1回程度」という回答が過半数を超える67%を占め、もっとも多くなりました。
回答理由について、一部抜粋してご紹介します。
▼「年に1回程度」と回答した理由
・早期発見のためには、間隔をあけずに定期的に受診することが大事。(類似回答多数)
・金銭的にも無理なく続けられる頻度かと思う。(40代・消化器内科)
・数年ぶりの健診で、異常が見つかる人が多いから。(30代・婦人科)
他の年齢での回答理由についても、ご紹介します。
▼「定期的に受けなくていい」と回答した理由
・かかりつけ医がいることが大事。(60代・一般内科)
・心配な人は受ければいいと思う。(60代・整形外科)
・受診費用は決して安いものではないので、費用対効果が悪い。(30代・一般内科)
医師がおすすめする検査を年代別で発表
人間ドックではなく、一般健診を受ける方の中には、オプションの検査を受けるべきか悩まれることもあるのではないでしょうか。そこで、年代別のおすすめ検査についても調査いたしました。
※回答結果は、全員に当てはまるものではございません。あくまでも参考程度にお考えください。気になる症状や、身内の方の既往歴等を医師にご相談のうれ、選択されることをおすすめいたします。
▼年代別・おすすめの検査
若年者でかかる疾患について、早期発見に有効だと考えられている検査を挙げられた方が多かったです。
それでは、回答理由について、一部抜粋してご紹介します。
・現在の医療で、早期発見ができて治療可能な検査としては、胃カメラ、大腸カメラ、腹部エコーは意義がありそう。女性なら子宮頸がんの細胞診も有効と思われる。(40代・放射線科)
・胃カメラを受診するなら、将来の胃癌リスク軽減のために、ピロリ菌検査も行ったほうがいい。(30代・一般内科)
・婦人科疾患は若年者でも命を落とされる場合が多いため。(20代・研修医)
・胃癌や直腸癌などは若年でも発症する可能性があるため。(40代・小児科)
・癌と生活習慣病を押さえておけば、問題ないと思うから。(50代・一般外科)
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年齢と共に不調が増えたり、体調を崩しやすくなったりと、誰しも健康への不安を感じるようになるものです。闇雲になにか疾患が隠れているのではないかと、悶々と心配するよりは、ご自身の安心のためにも受診することは有効なのではないでしょうか。家族や、周囲の大切な人達のためにも、間隔を空けすぎない受診を心がけてください。
【調査概要】
・調査対象:20~80代の男性医師・女性医師938人
・調査内容:人間ドック・健康診断について
・調査期間:2021年5月18日(火)~2021年5月31日(月)
・調査方法:インターネット調査