取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。【~その1~はコチラ】
今回お話を伺った瞳さん(仮名・34歳)は現在、旦那さまと子どもとの三人暮らしをしています。瞳さんは埼玉県出身で、両親と、4歳上と2歳上に兄のいる5人家族。結婚した相手は化粧や服装にまで口出しをする異常な嫉妬心の持つ主。入籍するも結婚式はせずにお互いの親を呼んでの写真と旅行だけだったと言いますが、それにも旦那さまの嫉妬があったからだと振り返ります。
「『ウエディングドレス姿は自分だけが見ればいい』と真顔で言われて……。私も莫大なお金をかけて結婚式をするぐらいだったら新婚旅行や新生活にお金をかけたかったので、その意見に従いました。夫や私の仕事関係者や親族に向けて大量の入籍報告ハガキを作って送りましたが、その写真のウエディングドレス姿にさえもあまりいい顔をしませんでしたね(苦笑)」
冷たくあしらうこともできず、遠方から徒歩圏内に
旦那さまの実家は関東ですが、父親が亡くなってから母親は遠方にいる兄夫婦と一緒に暮らすことになり、実家は手放してしまったそう。結婚の挨拶のときも兄夫婦を交えた食事会で終わり、身内だけの結婚写真撮影でも2人きりで会話することはほぼなかったと言います。
「第一印象は物静かな人という感じでした。夫のお兄さんばかりがしゃべって陰に隠れているような。挨拶に行ったときも2人で会話はしていませんし、結婚の撮影のときも当日はホテルで一泊して翌日には都内観光をしてもらい1日中一緒だったんですが、そこでも特に会話はありませんでした。控えめな人なのか、それとも次男に興味はないのか、こんな義母との関係は気楽でいいなって思っていました」
そんな状況が一転したのが、兄夫婦と義母との絶縁騒動。「家を追い出された」と次男である旦那さまに泣きついてきたんだとか。そして、兄夫婦と瞳さん夫婦で話し合い、瞳さん夫婦の暮らすところから徒歩圏内の場所にマンションを借りることになったとのこと。
「兄夫婦というか義姉と義母が揉めて、何度注意しても直らなかったことから義兄が切れたという経緯です。もう一緒に暮らせないと言われた日にその足で夫に会いに来ました。とりあえず数日は家に宿泊してもらい、その間に兄夫婦と話し合いを重ねました。その結果、私の同居したくないという思いを汲み取ってもらって徒歩圏内に別居という形になりました。義母はまだ元気だったから良かったものの、老後は……と考えると結婚生活は一気に不安でいっぱいになりましたね」
【義母と夫、好意と敵意の二重拘束状態に慣れてきた……。次ページに続きます】