知っておきたいファイナンシャル・プランニングの基本を、お金について学んでいる金子さんがFP( ファイナンシャル・プランナー) から教わるミニコラムです。ライフステージに合わせて、人生100年時代の観点から「戦略」を考えていきます。
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Q:リタイア後にお金が必要とは聞くけど、それだけではダメらしい?
社会人になってから長年勤め上げ、ついに定年退職。あとは趣味に時間を費やす日々…と夢を語った金子さんに、FPから3つのキーワードとアドバイスが。
出版社勤務の30代。社内異動でこの春から経済誌担当になったもののお金のことはさっぱり…。「人生100年」や「老後資金2,000万円不足問題」をキーワードに取材を重ねる中、自身のお金の知識に不安を感じるように。FPにレクチャーを受けながら、目下お金の勉強中。
「お金」「健康」「生きがい」老後生活で大切なものは?
人生100年時代、定年を65歳としてリタイア後の人生が30年以上もあります。老後も楽しく過ごすためのポイントを「お金」「健康」「生きがい」の3つのキーワードをもとに考えてみましょう。
この3つで大切なものは何でしょうか。
「先立つものはお金!」「いや健康が一番だ」「生きがいさえあれば…」
いろんな考えがあるかと思いますが、やはりバランスが大切です。余裕がある生活にはお金が必要であり、健康でないといろいろな制約が出てきますし、また、生きがいがあることでより楽しく日々を送ることができるでしょう。
しかしながら、バランスの取り方は人それぞれ。お金があればなんとかなるという人や、生きがいこそ大切という人など、十人十色です。
まずは「お金」のことから考えてみませんか
これら3つは相関関係にありますが、特にお金は双方に深くかかわってきます。
たとえば、健康に気遣っていたとしても、病気にかかり医療費が必要になることもあるでしょう。場合によっては介護が必要となるかもしれません。また、生きがいのために旅行費用や、趣味のスポーツ用品を買うお金が必要となることもあります。やはりお金につながっていきます。
お金について考える際には、バランスよく健康や生きがいのことも考慮していきましょう。
しかしながら、お金については考え方も準備できる額も人それぞれ、ましてや細かい計算は面倒と感じている方も多いかもしれません。
FPは、お金に関連したことを、みなさんの希望や状況に合わせてサポートするプロです。相談のきっかけは老後資金かもしれませんが、健康を維持するためや、生きがいの趣味を続けるために必要な資金作りのアドバイスにもつながります。
どうすればいいかわからないという方、まずはFPとお金のことから考えてみるのはいかがでしょうか。
取り組みはお早めに
「老後なんてまだまだ先の話、いまは子供の教育費や住宅購入が優先」「とても老後までは…」なんて思っていませんか。
もちろん、今の優先事項は老後資金ではないかもしれません。けれども将来どんなお金が必要になるか、前もってわかっていることで住宅資金などの考え方も変わってきます。今の家計の見直しが老後の資金計画にも影響してくるのです。それだけでなく、病気や災害など不慮の出費に備えておくことも必要です。
お金についての取り組みはなるべく早い方が有利です。少しずつの準備だとしても、10年、20年と長期に渡って取り組むことで大きな効果を生み出します。また、iDeCoやNISAなどが導入された時のように、新しい制度や税制変更を活用して、より有利にすることも可能です。
繰り返しになりますが、定年後の長い人生を豊かに暮らすためには、早い時期から準備が必要です。ぜひ一緒に考え、より良い老後を過ごせるようにしましょう。
[2020年5月号より]
※本記事は日本FP協会の“人生100年時代”お金の「戦略」立てていますか?(https://www.jafp.or.jp/know/lifeplan/100years_strategy/)のミニコラムより構成しています。
※原則として執筆当時の法令・税制等に基づいて書かれたものをそのまま掲載していますが、一部最新データ等に加筆修正しているものもあります。
※コラムニストは、その当時のFP広報センタースタッフです。本コラムは執筆者個人の見解を掲載したものであり、日本FP協会としての意見・方針等を示すものではありません。