取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ)
今回お話を伺った夕子さん(仮名・41歳)は、26歳の時に一度目の結婚をして、子どもにも恵まれます。しかし、結婚生活がうまくいっていたと思っていた頃から旦那さまは浮気を続けて、それが発覚したのは結婚して5年目のときだったと振り返ります。
「帰りが遅くなって、携帯を家でも持ち歩くようになるという浮気の兆候はあったものの、追求はしていませんでした。それよりも、慣れない子育てに追われていたのにまったく手伝ってくれないことや、夫婦生活がまったくなかったことへの不満のほうが大きかった。
浮気の証拠が出てきたのは、夫のカバンから。高級ホテルのロゴが入った封筒を見つけて、中身を見たら『大人2名』で数万の領収書が入っていました。問い詰めたらあっさりと浮気を認めたんです」
離婚を決意していたのに、離婚の話し合いに素直に応じる夫が嫌だった
3年という不倫期間は相手の女性が自白したものでした。そこからはお互いの両親を含めた離婚の話し合いになります。
「もう同じ空間にいるのも嫌で、相手の女性から3年と聞いた時に吐きそうになってしまって。すぐに子どもを連れて実家に帰りました。そして両親から相手の家族に連絡をしてもらって……。浮気が発覚した時は私に別れたくないと言っていた夫ですが、家族同士の話し合いの時には離婚に向けての話に一貫していて、もう一度やり直すことを私から拒否したのに、なんか無性に悔しくなった記憶が残っています。どんなにすがってきても拒否するつもりだったのに、諦めてほしくなかったのかも。離婚までの期間はあまり覚えていなくて、残ったのは親に迷惑をかけてしまった申し訳ない気持ちだけでしたね……」
専業主婦だった夕子さんは子どもを連れて実家に戻ります。今まで子育てに追われていた気持ちを理解していた母親は出かけることを勧めてきたと言います。
「ずっと子どもと一緒の生活を休んだほうがいいと、母親は自分が子どもを見ているから出かけなさいと気遣ってくれて。本当にありがたかったです。そこから、高校の友人とはあまり連絡を取り続けている子がいなかったので、大学の独身の友人と遊ぶようになりました。その中に今の旦那がいます。前の旦那と今の旦那は私や友人を介した知り合いでした」
【次ページに続きます】