取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ)
今回お話を伺った敦子さん(仮名・35歳)は、29歳の時に大学の時から付き合っていた男性と結婚。現在は都内で2人暮らしをしています。義両親は気遣いがある人で、家族旅行を含めた新婚旅行ではその優しさに触れたと当時を振り返ります。
「義両親は私たち夫婦がプレゼントする予定だった新婚旅行兼家族旅行をとても喜んでくれて、その思いを邪魔しないためにわざわざ『結婚式に』という言葉を添えてお金をくださいました。義父は口数の少ない人であまり話したことはなかったけど、その分義母は元気で明るい人で2人のバランスは母子家庭で育って私にはとても羨ましく映っていました。夫と結婚できたこと、家族が増えたことがとても嬉しかったんですよ」
定期的な旅行に出かけるほど結婚後も仲は良好。そんな中、義父がリストラに遭い……
結婚後は同棲中だったマンションから新居に引っ越し。結婚後も仕事を続けていた敦子さんは同棲中と変わらない生活を続けていたと言います。変わらない生活には、年1回の海外旅行、年2回の国内旅行が含まれていました。
「ずっと共働きで元々どちらも無駄遣いするタイプじゃなかったからそれなりに裕福な生活でした。子どももいないし、まだ作る気もなかったし。独身の頃から年に1回は海外旅行に行って、年に2回の国内旅行のうち1回ずつは別々に1人旅をしていたんです。これは結婚してもお互い継続していこうって約束していました。
1年目は独身時代のまま続けていたんですが、2年目には私の提案で、1回の国内旅行をお互いの親と一緒の旅行にしようって。人数が増える分近場にはなったんですけど、家族全員で行きたかったから。義弟はまったく参加しなかったんですけど、義妹は参加してくれました」
しかし、結婚生活3年目を迎えた時に義父が早期退職を選択して、自宅で時間を持て余すように。詳細を聞いたところ、リストラ対象になっていたそうで……。
「話は夫から聞いたのですが、まず他部署へ異動となり、義父は今までインフラを扱う企業で外部対応の仕事から内部の調整やマニュアルを電子化する仕事を担当するように。元々機械に疎かったようで苦労していたところに退職勧奨に遭ったと。早期退職の条件として、退職金アップとか再就職先のあっ旋もあったようでした。でも、異動で心が折られていたところにリストラまがいのものを受けて、働くことを諦めたようで……。夫と義母は相談してしばらく様子を見ようということになったと聞きました」
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