最近、パソコンやスマートフォンの普及により、自ら字を書く機会はめっきり減少してきました。その影響からか、「読めるけれども、いざ書こうとすると書けない漢字」が増えていませんか? 以前はすらすらと書けていたのに、と書く力が衰えたと実感することもありますよね。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
今回の記事では、「麒麟」(きりん)という漢字について、紐解いていきます。
■麒麟の意味とは?
哺乳類のキリンもこの漢字を書きますが、ここでは『麒麟がくる』のテーマとなっている“麒麟”について解説をしていきます。
1 :中国の想像上の動物。聖人が出現する前兆として現れるといわれた。体形は鹿、蹄(ひづめ)は馬、尾は牛に似て、頭に1本の角があり、全身から5色の光を放つという。一説に、麒は雄、麟は雌という。一角獣。
2 :才能の傑出した人。麒麟児。
(出典:デジタル大辞泉<小学館>より)
『麒麟がくる』では、1番目の語彙をモチーフとしたテーマ設定がされています。
■麒麟の語源・由来
麒麟とは、中国古代の想像上の動物です。竜、鳳凰(ほうおう)、亀とともに四霊獣の一つとされました。その形態は時代によって描写の仕方が異なりますが、体が鹿に似て頭に角があるという点でほぼ一貫しています。
一説には牡(おす)麒をといい、牝(めす)を麟といいますが、牝には角がありません。儒家思想の台頭とともに、「麟は仁獣(じんじゅう)なり、王者あれば則(すなわ)ち至る」といわれるようになりました。そして、麒麟は仁徳ある王者や聖人が出現したときだけ人の目に触れるという伝説が形成されるようになったのです。
■「麒麟」にまつわる名ゼリフ
ここでは、大河ドラマ『麒麟がくる』で出てきた、「麒麟」にまつわるセリフを振り返ってみましょう。
−−「強い子になれ。声は大きく、よい耳を持ち、よく学べ。さすれば立派な征夷大将軍となろう。世を平らかにできよう。さすれば、麒麟がくる」
このセリフは、第11回「将軍の涙」で足利義輝が発したものです。光秀の言葉を聞いて励まされ、自分の力が足りないと嘆きつつ、父から聞いた話を語りました。
「わしはその麒麟をまだ連れてくることができぬ。無念じゃ」と涙を流す義輝。
『麒麟がくる』が描こうとしているコンセプトがこのセリフの中から、感じ取れたのではないでしょうか。
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いかがでしたか? 麒が雄をあらわし、麟が雌をあらわすということはご存知ではなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか? 『麒麟がくる』の番組の話で盛り上がった時にはぜひ、「麒麟」の漢字についても語ってくださいね。
文/京都メディアライン
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