オーストリアの首都・ウィーンは音楽の都として知られていますが、それ以外にも建築、美術、カフェ、スイーツなど様々な魅力に溢れています。今回は、ウィーン商工会議所による「ウィーンプロダクツ」の称号を与えられた企業が手掛ける、伝統に培われた銀器や磁器、リネンなどのテーブルウェアと、市内にある素晴らしいワイナリーを、5回にわたって紹介していきます。

 

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旧市街の中心にあるゴシック様式のシュテファン寺院。

1720年創業のリネン店

ケルントナー通りと並ぶ旧市街の目抜き通りがグラーベン通りです。この通りにはウィーンの老舗が軒を連ねており、その中から今回紹介するのは、テーブルウェア&ベッドリネンの専門店「シュヴェービッシェ・ユングフラウ」、そして家具の製作や建物の修復・内装設計などを手掛ける「フリードリッヒ・オットー・シュミット」です。

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「シュヴェービッシェ・ユングフラウ」の外観。

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「シュヴェービッシェ・ユングフラウ」の店内。

「シュヴェービッシェ・ユングフラウ」の創業は1720年、オーダーメイドのテーブルクロスやベッドカバー、シーツ、タオル類を扱っています。店名の由来は、ドイツのシュヴァーベン出身のテキスタイル職人がウィーンで店を開き、その家の娘たちが未婚だったため、ユングフラウ(「乙女」の意味)と冠したそうです。

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テオドール・バニチェックと奥さま。

同店の工房はウィーン8区にあり、テーブルクロスやナプキンなどにミシンによるイニシャルや刺繍縫いが行なわれています。おばである5代目のハンニ・バニチェックの片腕、甥のテオドール・バニチェックさんは、「お薦めはクラシックでエレガントな白のテーブルウェアです。日本人のお客様も多く、ダウンの布団が人気です」といいます。

帝室御用達ということで、同店には、世界的に大ヒットとなったミュージカル『エリザベート』でも有名な、ハプスブルク家の皇后エリザベートが婚礼の時に仕立てたというベッドシーツが遺されています。実際に彼女が寝ていたシーツを見せていただきました。エリザベートはこの店の商品が大のお気に入りだったそうです。

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ハプスブルク家の皇后エリザベートが実際に使用していたシーツ。

近年では、マレーシアのスルタン(首長)の邸宅50室のリネンを任されたといいます。店内には土産品にするのにふさわしいハンカチやクッションカバーなども並び、目が釘付けです。

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刺繍の作業工程(右から左へ)。

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ナプキンにあしらわれた美しい刺繍。

 

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