人の手が生み出す深い味わい
1882年、電球を使用した世界初のシャンデリアを制作したのが、帝室御用達のガラス工房「ロブマイヤー」です。ガラス製品と照明を手掛け、店舗はウィーンの目抜き通り・ケルントナー通りに面しています。
工房ではシャンデリアのガラス部品を取り付ける作業や真鍮部分を加工する作業などが行なわれていました。
すべての作業工程が人の手によって行なわれます。「機械に頼ることは簡単ですが、人の手が加わることで深い味わいが生まれます」と、6代目のヨハンネスさん。
ガラス製品は、もっとも特徴的といえるアドルフ・ロースがデザインしたグラスの研磨作業を見学しました。アドルフ・ロースは20世紀前半に活躍した建築家で、装飾をそぎ落としたデザインで知られています。直線を3回ずつカットし、シンプルな形とデザインに仕上げ、ロースの世界観を表現していきます。
ロブマイヤーのクリスタルは鉛を添加しません。加工が難しく機械は不向きで、手づくりでも難しい作業なのですが、衝撃や温度変化に強く、丈夫で透明度も高いという、使い手には非常に魅力的な逸品です。約80社の日本のレストランで、ロブマイヤーのワイングラスなどが使われているそうです。
店舗にはシャンデリアが飾られ、様々なグラスが並び、3階は会社の歴史を辿ることができる資料室になっています。ハプスブルク家のテーブルに並んだ貴重なガラス製品が展示されていますので、ぜひ覗いてみてください。
取材協力/オーストリア大使館商務部
http://www.advantageaustria.org/jp/
ウィーンプロダクツ
http://www.wienproducts.at/