■中国オープンハウスを体験!
温泉ホテルを出て、次に体験するのは「オープンハウス」。オープンハウスとは、中国系ならば春節、ヒンドゥー教徒のお正月に当たるディパバリ、イスラム教徒なら断食明けをお祝いするハリラヤ・アプサ、クリスチャンならクリスマス……というように、各宗教のお祝い行事に国籍や宗教に関係なく、友人を招待して食事を振る舞うマレーシアならではの風習のことなのです。
家庭だけではなく、国王や首相も王宮や公邸を一般開放し、訪れた数万人に食事を振る舞うのだとか。もちろん観光客でも入場可能です。
■なんと太っ腹なマレーシア!
今回は、マレーシア観光省主催の中国系「オープンハウス」がイポー郊外のテルク・インタンで開催されるとのことで、さっそく会場に向かいました。会場となる広場に到着すると、すでに大混雑! テントがズラリと並び、多くの市民でごった返しています。湯気を立てたおいしそうな汁ソバ、ミー・レブスやビーフン、グリル・チキンライスなど、どの屋台からもいい匂いがしますが、どこでどれだけ食べようと全部、無料。なんと太っ腹な国なのでしょうか。
警備の人や市役所の職員がせっせとご飯をよそったり、手渡したり。普段の仕事と違って慣れないのか、背筋を伸ばし、はにかみながら配っています。さっそく私も汁ソバを受け取り、ズルズルとすすっていると、大きなダンボールを持ったおじさんがノシノシと歩いてきます。あちこちの屋台に寄っては、「この中に入れてくれ!」とちゃっかり催促。たちまちダンボールがいっぱいに。ホクホクした顔で帰っていく後ろ姿を見ると、家で家族が帰りを待っているのかもしれません。