■温泉卵と衝撃の美容法
お湯から上がり、散策路を歩いていると、小さな橋のたもとに人だかりが出来ています。なんと、そこには日本でよく見かける温泉卵が! 生卵を買った人々は、それぞれ小さなザルに入れ茹で上がるのを待っています。茹で上がった熱々の卵に甘い醤油のようなタレをつけて食べると懐かしい味。ようやく温泉を訪れた気分になりました。
さらに先に進みましょう。今度は、藻がたくさん生えている溝のなかに手を突っ込んでいる人たちや、男性同士で手をもみ合っている姿も見えます。いったい何をしているのか、恐る恐る近づいていくと、案内人らしきホテルのおじさんに、「これ、あんたも手を入れなさい」と腕を掴まれました。
「えええ!こんな藻だらけの溝に手を入れたくないよ」と慌てると、インド人男性たちが、「こんなにツルツルになったぞ」と喜んでいます。
どうやらこの緑の藻がお肌にいいようです。それならばと、ヌルヌルとした藻のなかに手を入れますが、正直、気持ち悪いったらありません。
藻まみれになった手を出すと、先ほどのおじさんにモミモミされます。会ったばかりのおじさんに、ジャリジャリの藻……これまた気持ちがいいわけではありませんが、驚いたことに手は一瞬でしっとり、すべすべに! おじさん、ごめんなさい!
こんな驚きの美容法、ぜひ日本に紹介したいと思いましたが、果たして日本の公園の池に浮いている適当な藻でもいいのか、鼻息荒くおじさんに聞いてみましたが分かりませんでした。さすがに、顔に塗る勇気はありませんでしたが…。