調湿性に優れていることから、日本のじめじめした暑さを凌ぐために畳などで重宝されてきたイグサ。空気の浄化や消臭効果も備わり、汗のにおいやペット臭にも効果覿面の天然素材だ。
本品を製造する「イケヒコ・コーポレーション」は、イグサ製品の開発・販売、130年の老舗メーカー。営業部の宮原勝彦氏はそのこだわりを語る。
「イグサは球磨川のきれいな水と豊かな土壌で育った、丈夫な熊本県八代産を染色したもので、製作は職人歴43年の吉武照生氏。通常より経糸が100本多い三重織りで、市松柄が立体的に浮き上がって見えるのが特徴です」
織り上げは専用の機械で行なうが、イグサの状態は常に細かく職人が点検する。織る前のイグサに水分を含ませる「加湿」という作業では、その日の気候や湿度によって水分量を変えるなど、職人の永年の経験が頼りだ。織り上がったラグは、乾燥させたヘチマのたわしで丁寧に磨くが、その際、検品の目も欠かさない。吉武氏の職人としての矜持がそうした作業を支える。
「ラグのへりには、福岡特産の久留米織をあしらいました。イグサとともに後世へ伝えていきたい日本の伝統を詰め込んだ贅沢な逸品に仕上がったと思います」と宮原氏は誇らしげに語る。
【今日の逸品】
三重織りイグサラグ「ほづみ」
イケヒコ・コーポレーション
32,780円(消費税込み)