昭和50年(1975)、国から伝統工芸品第1号の指定を受けたのが、岩手県の南部鉄器だ。17世紀の中頃に、南部藩主が京都から鋳物職人を呼び寄せ、茶の湯釜を作らせたのが始まりとされる。
紹介するのは、南部鉄器製のごはん鍋だ。肉厚の鉄器は蓄熱性が高く、どっしりと重い蓋が高い気密性を保つ。強火で一気に加熱することで米が対流し、むらなく炊き上がる。米の芯までしっかりと熱が入り、蓋を取ると香ばしい湯気とともに、粒立った炊きたてごはんが現れる。噛みしめれば、上品な甘さを感じる。
日頃は電気炊飯器を使っていても、たまには鉄鍋でごはんを炊くのも贅沢というもの。これから新米が出回り始める。お気に入りの銘柄米を本品で炊き、季節の味覚を堪能していただきたい。
【今日の逸品】
南部鉄器のごはん鍋2合
岩鋳(日本)
8,640円(消費税8%込み)