「二重焼き」という独特の意匠が特徴の大堀相馬焼
「二重焼き」という独特の意匠が特徴のひとつである大堀相馬焼は、福島県双葉郡浪江町の大堀地区で作られる焼物の総称。その歴史は300年以上を有する。東日本大震災により存続の危機に陥ったが、現在は全国各地で約10軒の窯元が伝統を守っている。松永窯は福島県の西郷村に窯を移し、創意工夫を凝らしながら作陶を続ける。
「お燗器と3種類のぐい呑みは、いずれも二重焼きです。大小異なる器を重ねて焼く二重焼きは、器の外側に熱を伝えないので、燗酒を注いでも素手で持てます」と、3代目窯元・松永和夫さん。
お燗器は、日本酒を注ぎ入れたちろりを、湯を入れた保温器にセットするだけと手軽。ぐい呑みは内側の形状が3種類あり、それぞれ注いだ酒と空気との関わり方が異なるため、同じ日本酒でも香りや風味がほんのり変わるという。
ぐい呑みを収納する木箱は持ち手付きで宅飲みのお供に提げて移動しやすく、蓋はトレーになる。
色は福島の長石という白い石の粉を使った白釉と、玄昌石という黒い石の粉を原料にした黒釉の2色展開。好みで選びたい。
「お燗器は、なめらかに注げるように注ぎ口の形を工夫し、ぐい呑みは口当たりよく仕上げています。ぜひこの酒器に福島の日本酒を注いで、一献傾けていただきたいですね」(松永さん)
【今日の逸品】
IKKON
松永窯
11,880円~(消費税込み)