国芳、北斎、写楽、広重、歌麿の傑作浮世絵の一部を江戸切子のグラスの底に描いた5色展開のミニグラス。五大絵師を戦隊ものに見立て、その名も「キリコレンジャー」と遊び心のある命名だ。
雑誌『和樂』との共同開発でプロデュースしたのは、東京のガラス工房「椎名切子(GLASS-LAB)」である。
「江戸切子は飾るだけでなく、日常で使ってほしい」との代表・椎名隆行氏の想いが形となった。
製作は隆行氏の父・康夫氏と、弟であり「椎名硝子」3代目の康之氏が担う。康夫氏は、グラスの側面や下部を平らに削る江戸切子の技法、平切子の名人。この技術を持つ職人は全国で10名もいないという。また、康之氏は、噴霧した研磨剤でガラスを削って絵を描くサンドブラストの技術が世界レベル。このミニグラスは、隆行氏を含めた椎名親子の力の結集なのである。
側面に花びらのような優美なカットを施し、底には浮世絵の象徴的な絵柄をあしらった。色付けはグラスに薄い透明金属膜をコーティングして焼き付ける「ラスター」という技法で行ない、その光沢がじつに魅力的だ。
「グラスに透明な液体を注ぐと、底の絵柄が側面の平切子の部分に反射し、万華鏡のように絵柄が広がります。酒を飲んではグラスを眺め、心豊かな時間を過ごしていただきたい」と、隆行氏は語る。
【今日の逸品】
キリコレンジャー
『和樂』×椎名切子(GLASS-LAB)
16,720円(消費税込み)