専業主婦をしている妻とは雰囲気が違う
「ある下町にある酒屋さんのすべてが、新酒の季節に立ち飲み屋さんになる。そこをスタンプラリーの要領で回るツアーがあるんだ。そこに息子を連れて行ったら、彼女に出会った。それは4年前のことかな。私は日本酒の醸造について割と詳しいから、ちょっと話をしたら話が弾んだ。最初はそれで終わりだったんだけれど、その翌年の会でもまた会った。それからSNSでつながって、グループで食事に行くことになり、お互いの話をして、今のような関係になったのは6か月前。サシでの食事の2回目のことだよ」
場所は浅草にある通好みの居酒屋さん。夕方5時から飲み始め、日本酒でしたたかに酔った、彼女のほうから近くのホテルに誘われた。
「浮気なんて、30年以上前に大学の後輩と“うっかりまちがった”時以来。後輩とは、それまで仲が良かったのに、完全に無視されたのがトラウマになっていた。それに、妻とも20年以上していない。それよりも、彼女の氏素性がわからず、家庭を壊されたり、お金をせびられるリスクが頭をよぎった。なにより、男としてダメだという事実と向き合うのも怖かった。強引に帰ろうかと思ったけれど、引き留められた」
出会いから恋人同士になるまで4年近い歳月をかけた“彼女”とはどのような人なのだろうか?
「年齢は10歳年下の55歳。販売関連の仕事をしていて、人懐っこくて好奇心旺盛、ボディタッチをよくする女性だよ。結婚しているけれど、子供はおらず、ご主人との仲も冷え切っているみたい。容姿についていうと、ポッチャリとしているけれど、美人だと思う。おしゃれで髪が長くて、いつもキレイにしている感じは、専業主婦をずっとしていた女房とは違うよね」
【恐れる気持ちがありつつも、彼女を受け入れた。最初はよかったが、次第に彼女の態度が変わり……~その2~へ続きます】