言葉の暴力は、体に直接傷がつかないということもあり、被害者本人が誰かに相談しないとなかなか気づかれづらい問題です。女性が「夫から言葉の暴力を受けた」という声は、たまに聞くことがあるかと思いますが、配偶者から言葉の暴力を受けている人は実際にどのくらいいるのでしょうか?
カケコム(https://www.kakekomu.com/)では、結婚経験がある男女100名を対象に、「配偶者(または元配偶者)から受けた言葉の暴力に関するアンケート」を実施しました。
「配偶者や元配偶者から言葉の暴力を受けたことがあるか」「実際にどんな言葉の暴力があったか」「言葉の暴力を受けたことに対して何らかの対処を取ったか」を具体的にご紹介します。この結果をご覧いただき、一人で悩むことなく、取れる対処法がいくつもあることを知っていただければ幸いです。

■実際に配偶者から言葉の暴力を受けたことがある人の割合は? どんな言葉の暴力を受けた?

「言葉の暴力を受けたことがある」と回答した人が80%、「受けたことがない」と答えた人が20%と、圧倒的に言葉の暴力を受けたことのある人の方が多い結果となりました。
言葉の暴力は、女性が受ける印象が強いかもしれませんが、実際は、「配偶者から言葉の暴力を受けたことがある」と回答した男性が92.9%、女性が70.7%と、女性より男性の方が言葉の暴力を受けており、しかもほとんどの男性が言葉の暴力を受けていることが分かりました。では、どのような言葉の暴力があったのかを聞いてみました。その内容をパターン別に具体的にご紹介しましょう。

【パターン1 相手の人格を否定する言葉 】
−30代男性の場合
・家では犬と呼ばれている。帰って来るなと言われた。
・死ね等の誹謗中傷を言われた。

−30代女性の場合
・「人間のクズ」「一人では何もできないクソ女」「誰のおかげで生活ができていると思っている」など。あとは、基本的に謝らないというモラルハラスメント(をされた)。

−40代女性の場合
・気持ち悪いんだよ。一度死んだ方がいいんじゃない?(と言われた。)

【パターン2 相手の頑張りや能力を否定する言葉】
−30代男性の場合
・ボケ、カス、アホ、甲斐性なし、他の人はもっと仕事して稼いで家事も手伝っているのにお前はなんで何もしないのか、弁護士よんでお前の人生をめちゃくちゃにしてやる(と言われた)。

−40代男性の場合
・給料が安いのは、能力が低いからと言われました。

−30代女性の場合
・どうせ〇〇にはできないよ。頭悪いの死なないと治らない?(と言われた。)

【パターン3 専業主婦をバカにする言葉】
−30代女性の場合
・わたしが専業主婦なので、誰のおかげで飯が食えてるねんと言われた。

−40代女性の場合
専業主婦だった頃、お金を使うだけ使うが、一銭も作り出すことができない能無しだと言われた。

−30代女性の場合
・育児家事をほとんど一人で行なっていますが、「誰のおかげで生活できていると思ってるんだ。お前は何もしてない」と叱責されました。

【パターン4 結婚自体を否定する言葉】
−30代男性の場合
・私の方がだいぶ年上でしたので、こんなオッサンと結婚しなければ良かったと言われ、ショックでした。

−40代男性の場合
・「あなたと結婚なんてするんじゃなかった」(と言われた。)

【パターン5 相手の容姿を否定する言葉】
−30代男性の場合
・見た目がみっともない(と言われた)。

−20代女性の場合
・デブ、ブス、胸が垂れているなどの悪口(を言われた)。

【パターン5 相手の家族を否定する言葉】
−40代男性の場合
・身内の悪口を言う(という言葉の暴力を受けたことがある。)

−20代男性の場合
・親のことを言われ、存在を否定されました。

−60代以上女性
・実家の父母を蔑む言葉(を言われた。)

■言葉の暴力を受けたらどう対処する? 反撃・応酬するのか? それとも我慢して耐えるか?

次に、実際に配偶者や元配偶者から言葉の暴力を受けたことがある人を対象に、「言葉の暴力を受けたことに対して何らかの手段を取ったか」を聞いてみました。
その結果、「何らかの手段を取った」と回答した人が28%、「取りたいと思ったが取れなかった」と回答した人が30%、「取らなかった」と回答した人が42%となりました。
実際に何らかの手段を取った人は全体の3割にも満たなかったのですが、「何らかの手段を取る意思があった」人で見ると6割ほどにのぼります。男女別で見ると、下記のとおりでした。

<男性の場合>
「何らかの手段を取った」と回答した人が23.8%、「取りたいと思ったが取れなかった」と回答した人が40.5%、「取らなかった」と回答した人が35.7%でした。

<女性の場合>
「何らかの手段を取った」と回答した人が31%、「取りたいと思ったが取れなかった」と回答した人が22.4%、「取らなかった」と回答した人が46.6%でした。

意外にも「何らかの手段を取った」と回答した男性は女性より約7%も少なく、「取りたいと思ったが取れなかった」という男性は女性より約20%多い結果となりました。

■何らかの手段を「取った」と回答した人が実際に取った手段は…

男女ともに、別居または離婚を選択したという方が多い印象でした。特に女性の場合は、子供を連れて実家に帰るというケースも多いようです。
別居は、離婚したいけれど相手に切り出すことができなかったり、相手が離婚に応じてくれない場合に取れる有効な手段です。別居をする正当な理由がある場合は、長期間の別居をすることで無事離婚できる可能性があるため、一つの手段として検討すると良いかもしれません。また、言葉の暴力があった場合、離婚だけでなく、相手に慰謝料を請求できる可能性もあるため、離婚話を切り出す前から弁護士に相談しておくと良いかもしれません。

しかし、何らかの手段を「取りたいと思ったが取れなかった」と回答した人が、考えた手段は、別居や離婚を考えたという意見が多くを占めていました。また、相手を訴えることも考えたが、相手の親が出てきてこじれたのでやめたという方もいました。

***

「売り言葉に、買い言葉」、つい感情的になって暴言を吐く場合もあるでしょう。あるいは、溜まりに溜まって爆発して暴言を吐くという場合もあります。しかし、「言葉の暴力」は相手を深く傷付けるのは確かです。口は禍のもと、夫婦といえども「親しき中にも礼儀あり」の精神を持てば「言葉の暴力」は無くなるような気もいたします。
別居や離婚は、解決の手段として有効かもしれません。しかし、そこに至るまでに、夫婦関係を修復する手立ては幾つもあると思われます。この調査結果をもとに、もう一度夫婦関係を考えてみてはいかがでしょう。

◆株式会社カケコム概要
会社名:株式会社カケコム
所在地:150-0043東京都渋谷区道玄坂2-11−4 ストークビル道玄坂801号
代表者:代表取締役CEO 森川 照太
設立:2016年5月2日
会社URL:http://company.kakekomu.com/
事業内容:トラブル解決のプラットフォーム「カケコム」の運営・開発

 

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