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写真:日本ライフセービング協会

気象庁は発表した3ヶ月の長期予報によると、今年の夏は、例年にも増して猛暑になることが予想されています。短縮されるとはいえ、今から夏休みに海辺や川での水遊びを楽しみにしておられるご家族もおられると思います。
楽しいことの多い夏休みですが、水の事故が多くなる時期でもあり、毎年悲しいニュースが後を断ちません。そんな悲しい水の事故を防ぐために、役立つ情報がありますのでご紹介します。

公益財団法人日本ライフセービング協会(https://jla-lifesaving.or.jp/)では、これまでの独自調査分析をもとに、夏季海岸利用に向けた新しい考え方、水辺の安全教育、事故防止についてまとめ公表しています。
そして、多くの人が海を安全に楽しむために、潜在リスクへの対処についても広報しておりおりますので、本格的な夏に入る前にご覧になると良いでしょう。

■今年の夏は例年とは違う! まずは、現状認識が大切

新型コロナウイルス感染症の影響により休校が続いたため、各学校では年度始まりに「健康診断」を実施することができず、児童生徒一人一人の健康状態が把握できていない…等の理由から、水泳授業を中止するという判断を耳にします。また、更衣やプールの感染症対策をしっかりと講じながらの授業運営になるため、子どもたちが水に親しむ時間の縮小は避けられないでしょう。
さらには2020年、夏の海水浴場の開設中止が各地で発表され、水との親しみ方に大きな変化が生じています。
今年度における学校の水泳授業の取扱いについて、スポーツ庁政策課学校体育室 令和2年5月22日)

■幼少期・小学生低学年での水辺の安全教育が重要、夏休み前の水辺の安全学習は必須

今年度は、小学校の新しい学習指導要領が全面実施されます。「水泳領域」では高学年に「安全確保につながる運動」が新設されたことにより、命を守る行動(SWIM&SURVIVE)を学校で具体的に学ぶという大きな転換を意味します。日本ライフセービング協会は、夏休みを前に控えた子ども達に対し、水辺の楽しさや安全に関する学びに焦点を絞ることが重要と考えています。

【図1】子どもの溺水事故の発生状況

上記の統計グラフは、子どもの溺水事故の実態を示したものです。幼少期から小学校低学年にかけて屋外での溺水事故が増加しています。また小学校高学年から中学生にかけても増加傾向にあることがわかります。時期は、やはり7月、8月が一番多くなっています。

【図2】海水浴場における年齢別の救助人数と海水浴場における年齢別の応急処置人数 (データ;日本ライフセービング協会)

上記の統計グラフは、「海水浴場における年齢別の救助人数」を示すものです。救助した人数としては20歳から24歳が一番多いですが、応急処置件数については小学生の年齢期から非常に増える傾向があります。水に慣れてきた頃からは、大人による十分な注意が必要になることを示しています。

■水辺に向かう前に行うべきこと、準備すべきこと、決してやってはいけないことは?

写真:日本ライフセービング協会

長期の休校による体力や筋力、判断力が低下している中で、精神的なストレスからの解放感が招く行動等を理解し予測した上で、水辺での活動リスクをしっかりと考える必要があります。

いつもと違う夏がやってきます。これを重要な機会と捉え、水辺を安全に楽しむためにライフセーバーが常に心掛けていることをお伝えします。それは事故が起きてからの行動ではありません。事故を未然に防ぐための心構えや準備です。海に限らず、すべての水辺に当てはめて、考える指標にしてください。

1. 必ずその日の気象状況と風や波の情報を調べましょう。
2. 浮く物やライフジャケット、簡易的な応急手当ができる準備をしましょう。
3. 長時間の移動等で疲労がある場合は、到着直後の入水は控え、休養をとってからにしましょう。
4. 地震や津波に備えて避難経路や津波避難タワーなどを確認しましょう。
5. 体調管理と水分補給を心掛け、すぐに日陰で休める場所を確保しましょう。
6. 入水前に、海の観察をおこない、家族や仲間で安全に関する約束事を決めましょう。
7. 波の高さや水深、沖への流れなどを確認しながら入水し、足のつく範囲で遊ぶようにしましょう。
8. アルコール飲料を飲んでからの入水は絶対にやめましょう。
9. 遊んでいる時も風や波、潮流の状況を気にかけましょう。もしフロートなどが沖に流された場合、泳いで追いかけてはいけません。
10. 一人一人がライフセーバーです。「Keep Watch」を忘れないでください(子どもから目を離さない)。

■水難事故を未然に防ぐための学習手段を5つご紹介

1)eラーニング ウォーターセーフティ

日本ライフセービング協会はウォーターセーフティプログラムの講習会内容(学科)のeラーニングが8月31日まで一般公開されています。
無料のeラーニング講習の内容は以下の通りです。
ウォーターセーフティ講習会① JLA ウォーターセーフティの目的とライフセービング
ウォーターセーフティ講習会② 第 1 章ウォーターセーフティの意義~第 3 章ウォーターセーフティ プログラムの実際
ウォーターセーフティ講習会③ 第 4 章 安全管理

2)e-Lifesaving ~Swim&Survive~(e-ライフセービング)

学校に限らず、ご家庭でも楽しみながら「水辺の安全」を学び合うことができるICT教材です。是非ご活用ください。(主に小学生以上、親子、授業展開向け)
https://elearning.jla-lifesaving.or.jp/

3)海の知識

夏にむけて「海の知識」を日本ライフセービング協会のHPにて、随時UPしてまいります。(主に小学生以上、親子向け)
https://jla-lifesaving.or.jp/column/

4)「stay home with the sea」プロジェクト

日本財団「海と日本プロジェクト」の知恵とネットワークを駆使し、「海」を身近に感じてもらえるよう、自宅にいながら楽しく学べるコンテンツです。(主に小学生以上、親子向け)
https://uminohi.jp/stayhomewiththesea/index.html

5)プール活動・水遊び監視のポイント

今夏は海や川ではなく自宅で…を考えていらっしゃる方にも、ご家庭での水遊び、プール活動の安全確保に役立つ消費者庁からの情報です。(主に保育園、幼稚園教諭、保護者向け)
https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/teaching_material/pdf/teaching_material_200527_0001.pdf
注:こちらは幼稚園の先生向けに監視のポイントや、子どものリスク行動を示している資料です。ご家庭でのプール遊びや、これからの水辺での活動において、安全を確保する上でとても参考になります。(日本ライフセービング協会は、消費者庁より消費者安全調査委員会の専門委員の任を受けております。)

***

「新しい生活様式」の中、最初の本格的夏を迎えようとしています。悲しい水の事故が起こらないように防止対策をしっかりすること、そして、プールや海水浴場での「社会的距離(ソーシャルディスタンス)」をとることを忘れないでくださいね。
いつもと違う夏ですが、いつもと同じ、楽しく思い出に残る夏休みになることを心からお祈りしています。

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