被災時に預貯金などを引き出すには【被災したときに役立つ生活再建のための知識】■預金通帳やキャッシュカードを焼失した場合の取扱い

災害に遭い、急いで避難しなければならない場合、荷物を持ち出す余裕がなく、身体一つで家から逃げ出す場合もあるでしよう。その後の火災で住宅が焼失し、その際にキャッシュカードや預金通帳を焼失してしまうと、現金の引出しに困ることになります。

預金を引き出すのに通帳もカードもない場合、金融機関は、普段は預金者と手続者が同一人物であるかどうかの本人確認を厳密に証明することを要求し、それが確認できない場合は預金の払戻しに応じてくれません。しかし、災害時にはその規模と被害の大きさによっては、本人確認書類に基づく金融機関の窓口対応が柔軟に行われる場合があります。

本人確認書類(C)2019 NPO法人 日本FP協会

東日本大震災のときは、多くの銀行では本人確認ができれば限度額10万円まで、ゆうちょ銀行の場合は限度額20万円までの引出しに応じています。店舗を持たないインターネットの銀行では、電話で、本人しか知りえない情報を確認して本人確認ができれば、他の金融機関の本人名義の口座宛に限度額10万円まで振込みを行うところもあります。

■現金が燃えてしまった場合の引換え基準

被災により火災が生じると、家屋の中にある家具などと一緒に紙幣や硬貨が燃えてしまうことがあります。これらの紙幣や硬貨は損傷したり一部しか残っていなかったりした場合などでも、一定の条件を満たせば日本銀行の本支店や一般の銀行などで新しいお金に無料で引き換えることができます。

日本銀行紙幣貨幣の引換え基準、日本銀行の鑑定手続きに持ち込む前の処置(C)2019 NPO法人 日本FP協会

 

被災によりクレジットカードを紛失した場合の手続き

被災時は言うに及ばず、クレジットカードを紛失した場合は、犯罪など第三者による悪用を防ぐために、一刻も早くクレジットカード会社の力ード盗難紛失受付センターと最寄りの警察署に連絡しましょう。また、支払日に決済できない場合、延滞になる可能性があるので、必ず力ード会社に相談しましょう。なお、クレジットカードによっては、傷害保険や死亡保険が付帯されているものもありますので、それらの保険を活用できるかどうか確認してみましょう。

※本記事はNPO法人 日本FP協会発行のハンドブック「災害に備える くらしとお金の安心ブック」から転載したものです。

協力:NPO法人 日本FP協会 https://www.jafp.or.jp/

 

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