中学校は学生生活の中で一番楽しかった

父親が単身赴任というかたちをとれなかったのか。その問いに対して、史帆さんは苦笑いを浮かべた。

「当時は、そんなものがあるなんて理解はしていませんでした。これは大人になってからなんですが、父親が単身赴任することを強く嫌がったみたいです。単身赴任になるか、家族で引っ越すかの話し合いを夫婦でしたときには何度か離婚話にまでなったと聞きました。

母親は『仕事もしていなかったし、離婚を選択することができなかった』と振り返っていました」

史帆さんの中学校生活は想像よりも楽しいものだったという。

「もっと寂しいのかと思ったのですが、それよりも友人たちと遊び、部活動に打ち込み、祖父母は私の好きなものばかり作ってくれるなど甘々でした。私の暮らしていた地域では中学校からお弁当だったんですが、祖母は高校卒業までずっと作ってくれました。本当に感謝しかないです。年齢的に辛い日もあったはずなのに。

それに、母親が月に1度は必ず私に会いに来てくれていたんです。一緒に暮らしていなかったから母親に対しては反抗期などもなく、会ったときには2人で遊びに行くこともありました。また、生理やブラジャーなど下着の問題が発生したときも電話で相談するとすぐに会いに来てくれていたので、離れて暮らしていることは思いのほか寂しくありませんでした」

高校進学時に家族3人でまた暮らすことを提案されるが、史帆さんは拒否。そのことによって家族関係はどのように変化したのか。【~その2~に続きます】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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