取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです。

一緒にいるときはその存在が当たり前で、家族がいることのありがたみを感じることは少ない。子の独立、死別、両親の離婚など、別々に暮らすようになってから、一緒に暮らせなくなってからわかる、親やきょうだいのこと。過去と今の関係性の変化を当事者に語ってもらう。

リスクモンスター株式会社は、「第2回 離婚したくなる夫・妻の仕事」調査(実施日:2024年11月15日~11月20日、有効回答数:20~49歳の既婚者600人、インターネット調査)の結果を発表。調査にて、パートナーの仕事に不満があるかどうかについては「不満がある」が33.7%、パートナーに転職してほしいかどうかについては「転職してほしい」が26.7%、パートナーの仕事が原因で離婚したいかどうかについては「離婚したい」が13.2%となった。

今回お話を伺った美貴さん(仮名・42歳)は、幼稚園に通っていた頃に両親が離婚。そのときに父親だけでなく、兄とも離れて暮らすことが美貴さんの意思なく勝手に決まったという。

両親の離婚できょうだいは離ればなれに

美貴さんは両親と5歳上に兄のいる4人家族だった。幼稚園から帰ってきたときに珍しく平日の昼から父親がいた日があり、その日に両親が離れて暮らすことを伝えられたと振り返る。

「母親から、『別の場所で暮らすことになった』というようなことを言われた気がします。そのときは離婚という言葉があったかどうかは覚えていません。まだ私が小さかったから、親はその言葉を使わなかったのかもしれません。私が最初に思ったのは、幼稚園で仲良くしていた友だちと離ればなれになりたくない、でしたね」

その頃の父親は平日遅くに帰ってきたり、休日も仕事で家にいないことがほとんどだった。父親がいなくなることを寂しいとはそこまで思わなかったという。

「父は商社に勤めていて、ほとんど家にいなかったから、私は父に会えなくなることの実感があまりなかったんです。でも、母と私が引っ越しする1週間ぐらいは父が私の幼稚園までの送り迎えをしてくれて。私との別れを惜しんでというより、母が引っ越しの準備などで忙しかったから父親が代わってくれていただけかもしれないけれど、最初で最後の父親との時間は、私にとってとても楽しいものでした。帰りに近くの公園で一緒に遊んだり、お菓子を買ってくれたりしたことを覚えています」

当時のきょうだいはそこまで仲良しではなかった。小学生になった兄は妹の世話をするよりも友だちと遊びたい時期で、兄の後を追う妹を鬱陶しいと思っていたのだろう。美貴さんはめげずにちょっかいをかけに行くこともあったが、その結果いつも泣かされていたという。

「ケンカの内容はまったく覚えていないけれど、ゲームをしている兄の横に座って一緒に遊ぼうとしても、最後は叩かれて泣かされて、部屋から追い出されていました。まぁ私が何かいたずらをしたんじゃないかな。きょうだいげんかの後に母親から怒られるのは私のほうが多かったから。

兄と離れたことは、別々に暮らし始めてしばらくしてから寂しいと思うようになりました」

【両親に可愛がられている兄に嫉妬した。次ページに続きます】

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