姉夫婦の家で暮らすようになって、母親との縁は途切れた
茜さんは高校卒業後に就職。高校進学のときに母親、姉夫婦、茜さんとの話し合いがあり、そのときに姉と母親との関係が悪くなり、茜さんは高校卒業と同時に姉の家族と暮らすことになっていた。
「進路を決めるときに母親と話をしようとしたら、『自分で決めて』と言われたんです。だから進路のことを姉に相談したら、姉が母親の態度に怒って姉の旦那さんとともに家に乗り込んできました。そのときに母親は『お金は出しているでしょう』と声を荒げて、『それだけのくせに偉そうにするな』という姉とケンカになってしまって。
高校に在学中は、姉の家に週に2~3度泊まりに行くような生活を続けて、姉の家の近くにある複合施設に入っているアパレルショップの販売員の仕事を始める少し前から姉の家にお世話になることになりました」
姉の家で暮らすことになったことで、母親との関係は途切れた。どちらからも連絡を取り合うことなく、茜さんの結婚が決まったときも母親には連絡しなかったという。
「姉の家への居候期間は1年ちょっとくらいです。付き合っていた男性と同棲をするからと家を出て、同棲2年ほどで入籍しました。結婚した理由は、子どもができたからです」
茜さんは無事女の子を出産するも、妊娠中から夫とは関係がうまくいかなくなり、徐々に茜さんは追い詰められていったという。
「夫があまり社交的なタイプじゃなくて、私たち夫婦に干渉してくる姉夫婦のことをあまりよく思っていなかったんです。私は姉夫婦と仲良くする度に不機嫌になる夫の機嫌取りと、そんな夫の態度に姉が傷つかないために、徐々に姉夫婦と距離を置いていきました。だから、出産後に頼れるところはありませんでした……」
夫とはイライラをぶつけあうだけの関係になり、離婚へ。子どもを支えられるのは自分だけなのに、子どもがかわいく見えなかった。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。