元夫はずっと両親と連絡を取っていた
結婚生活は別居期間も含めて約4年で終了。離婚時は友人を頼って遠方で生活していたが、離婚成立後に地元に戻りたい思いがあった。親に連絡することができなかった友紀さんはまだ大学生で両親と一緒に暮らしていた妹に連絡をしたという。
「9つも下の妹に相談するのも気が引けたんですが、地元で唯一仲が良かった友人は遠方に行ってしまって、その子には離婚まででさんざんお世話になっていたので、地元で自分のことを赤裸々に言えるのなんて妹しか思い浮かばなくて。
妹に離婚したことを伝えようと電話をすると『お父さんの調子が悪い』と言われて、その言葉にパニックになってしまって、何も考えずに急いで実家に帰りました」
結局、妹の「父の調子が悪い」発言は嘘だった。離婚の事実に父親は呆れていたものの、母親とともに迎え入れてくれた。離婚のことは元夫から伝えられて知っていたという事実をその場で知ったという。
「私が連絡を取っていなかっただけで、元夫とうちの両親は定期的に連絡を取っていて、離婚になったことも元夫から聞いて知っていたと言います。元夫は『すいません』と頭を下げていたと。母親は『結婚を反対してしまってごめんなさい。お父さんとお母さんの見る目がなかったのね』と元夫のことを認め、謝ってくれました。
元夫との結婚は、すべてにおいて私が未熟だったから離婚という結果になってしまいました。でも、元夫を選んだことは正しかったって思うことができました。元夫と両親には自分の気持ちを救ってもらいました」
人、特に日本人は何かを失敗したときに自分だけが悪いと思い込むところがある。そもそも、すべてうまくいくような完璧な人生などはなく、タイミングを間違えば、うまくいくはずのことでも失敗してしまうことも多い。失敗から何かを学ぶことももちろん大切だが、失敗をすべて自分のせいだと思い込まないことも失敗から学ぶべき大切なことの1つなのだ。
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。