取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです。

昭和、平成、令和と時代が移り変わるのと同様に、家族のかたちも大家族から核家族へと変化してきている。本連載では、親との家族関係を経て、自分が家族を持つようになって感じたこと、親について、そして子供について思うことを語ってもらい、今の家族のかたちに迫る。

レゾンデートル株式会社は既婚者男女を対象にセックスレスの実態に関するアンケート調査を実施(実施日:第1報2023年10月23日~25日、第3報2023年10月30日~12月18日、有効回答数:第1報20~59歳の既婚男女4000人(男性2000人、女性2000人)、第3報20~59歳の既婚男女635人(男性320人、女性315人)、インターネット調査)。第1報では、20代~50代既婚者の68.2%が配偶者とセックスレス傾向にあり、このうち43.9%が完全なセックスレス状態にあることがわかった。さらに第3報では、レス夫婦の37.0%が「5年以上なし」状態にあるという。

今回お話を伺った麻衣さん(仮名・42歳)は5歳上の男性と授かり婚をした。出産後に病院では夫婦生活を再開してもいいと言われていたものの、縫合部の傷の影響で1年以上夫婦生活を麻衣さんのほうから断っていた。【~その1~はコチラ

努力した分、拒否されたことに腹が立った

夫婦生活を麻衣さんから拒否していた期間は1年以上だが、実際に断ったのは2度だけ。夫から求められなくなったことに対して不安になった麻衣さんは傷の状態を確認しつつ、自分磨きをまずは行ったという。

「体重こそ授乳ですぐに戻りましたが今までなかったところにお肉がついてしまっていたり、傷以外にも色素沈着してしまった部分があったり、妊娠前とは程遠い体形になっていました。まだ子どもが小さかったのでジムなどに通うことはできませんでしたが、自宅でできるエクササイズを頑張ったり、食事を気にしたり、肌に良いオイルやクリームを買ったり、また求めてもらえる体になろうと必死で頑張りました」

それでも夫から誘われることはなく、意を決して麻衣さんのほうから誘ってみたという。しかし、そのときの夫の態度に深く傷つき、思わず夫に向かって物を投げつけてしまったと振り返る。

「少しいい匂いのするボデイケアをして、仕事から帰ってきた夫に声をかけました。『もう傷もすっかり良くなったから』と。そしたら『よかったね』と言われただけ。なので迫ってみたら、嫌そうな顔をされて私と体が触れ合わないように後ずさりをされたんです。

そのときは恥ずかしいのと怒りで頭がカーッとなり、興奮状態で何を言ったかは覚えていないんですが、家にあるものを投げつけていました。ゴミ箱とかティッシュとかを……」

【原因は私ではなく夫だと思い込んだ。次ページに続きます】

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