夫は異性というよりも同志だった
お互いに友人が少ないという理由で結婚式も行わず。夫の職場近くに住まいを新しく借り、結婚生活がスタートした。結婚までに3年ほど付き合っていたが、同棲はせずに本格的に一緒に暮らすのは結婚してからが初だった。生活を共にしてく中で、凪咲さんは夫のことを異性というよりも家族という見方に変わっていった。
「元々、友だちの延長として付き合っていたという感じで、性事情はお互い淡泊だったんです。それが、一緒に暮らすことによって、家族、同志みたいな感じになって、私はより淡泊になってしまった。でも、夫婦生活に違和感がありつつも続けていました。子どもが欲しかったから、関係を続けていました」
結婚して3か月ほどで凪咲さんは妊娠。しかし、お腹の中で子どもは成長することなく流産してしまう。そんなことが3度続き、夫婦で話し合って子どもを作らないことに決めたという。
「子宮形態異常だったんです。生理もちゃんと来ていたし、性交痛などもなく、無自覚でした。これだからといって体の健康に影響があるものではないのに、手術する気になれなかった。自然妊娠に再度チャレンジするという方法も残されていましたが、もうきつかったんです。そこまでして……というのが本音です。夫に正直に伝えたら、私の考えを認めてくれました。
そのときにとても愛情を感じたのに、それが性生活にいい影響は与えてくれませんでした」
夫は婚外恋愛に体の関係を求め、妻は心のつながりを求めた。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。