妻のパート先は、ファストフード
奥様の写真を見せていただくと、往年の大女優のような清楚な美しさ。ショートボブの毛先を軽く内側に巻いており、肌はふっくらとみずみずしく、笑顔がかわいい。健康的で上品なのにどことなく凄味がある。
「妻は埼玉県出身で、商業高校を卒業して、夜学に通いながら大学を卒業した苦労人。当時、銀座にあったフルーツパーラーで働いていたところを、口説き落として結婚してもらいました。結婚してからも苦労ばかりかけて……というのは、ウチは親戚がやかましい。妻の両親を侮辱したり、ホントに大変な思いをしたと思うけれど、妻は人間がよくデキているので、全て受け流して、全員を味方にしてしまった。私の母も、私よりも妻のことを信用している。兄夫婦のことなんて、頭数にも入れていませんからね」
そこまでよくできた奥様に起こった異変を伺いました。
「まあ、ふがいないことに私の収入が激減したので、働くことになったのです。都内のファストフード店で時給1000円ちょっとでパートを始めたそうなんですが、ここ最近、特に帰りが遅くなったことが心配なんです。先日は、朝方まで帰ってこないこともありました。さすがに心配になって、どこに行っていたのかを聞いても、あやふやな答えしか帰ってこないんです。さらに聞こうとすると、眠いとか仕事だとか言ってかわされてしまう」
奥様は魅力的なので、浮気の心配も無きにしも非ず。
「それは全くありません。妻は絶対に浮気はしない。というのも、男性に興味がないんです。それに、しっかり者だから、お金の使い込みなどもしていないでしょう。ただ、パートを始めてから、ファッションが下品になり、言葉使いや声の出し方も雑になりました。前はちょっと考えてからモノを言っていたのに、今は“ちょっとさ~。なんなのよ、これ?”みたいな感じで、ずばずばモノを言う。別にそれでもいいのですが、何があったのかが知りたい。それを調べていただきたいんです」
※本連載はプライバシーに配慮し、一部内容を変えております。
【パートが終わった後、同僚の男と妻は居酒屋へ……その2に続きます】
探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/