結婚と同時に、10歳の母親になった
遥香さんと夫との出会いは職場。一緒に働いていたときにはただの職場仲間という関係だったが、相手が転職を機に連絡を取らない時期を経て、SNSで再びつながり、恋愛関係になった。
「一緒に働いていた頃は相手は結婚していたし、そこまで仲良くはありませんでした。相手が仕事をやめて、SNSのメッセージから再会したときにはバツイチ子持ちになっていました。子どもとは同居していて、離婚して3年で元妻はすでに再婚している状況でした。
恋愛関係になったのは再会して半年たったぐらいのとき。相手から言ってくれて付き合うことになりました」
付き合った当時、遥香さんは29歳。その数年前に婦人系の病気になり、妊娠が難しいことがわかっており、結婚願望はなかった。プロポーズを受けたときには「子どもを持つことができるんだ」という喜びも強かったという。
「病気がわかる少し前にずっと付き合っていた人に振られて、そのときに女性として正常に機能していない私が結婚できるわけないと悟ったんです。投げやりな気持ちではなく、もう生きていけるだけでいいやとなりました。もう少し進行していたら、命にかかわる病気だったから。
夫と付き合ったときもバツイチ子持ちの人が再婚を望んでいるわけないと思って、OKした部分がありました。それなのに、付き合っていく間に結婚とか望むようになってしまった。プロポーズを受けたときにはお母さんになれるんだって、不安はあったけれど、同じくらい嬉しく思いました」
遥香さん34歳、夫37歳のときに結婚、こどもは10歳だった。最初は子どもから人見知りをされていたが、少しずつ距離を縮める中で起こった、夫と子どものケンカ。怒りに任せて手を出す夫の姿に恐怖しか感じなかった。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。