心配の種だった我が子がようやく正式に婚約し、安堵したのも束の間。結婚準備を進めていた最中、相手から突然、婚約破棄の話が出たら、親としてはどうするべきなのでしょうか?

婚約破棄をされたとなると、親子共々、天国から地獄に突き落とされたような気分になるでしょう。しかし、落胆している場合ではありません。結婚生活にむけて準備を進めていた人ほど、やるべきことがたくさんあります。

一番辛いのは、親ではなく当事者である子どもです。この記事では婚約破棄後に、少しでも今後のことを前向きに考えられるように、親として知っておきたい婚約破棄後の対応や、子どもへの接し方を紹介します。

目次
婚約破棄とは
婚約破棄のエピソード
婚約破棄したらすること
損害賠償請求する場合
まずは子どものメンタルケアを
最後に

婚約破棄とは

「婚約破棄」という言葉は聞いたことはあるけれど、ドラマ上での話だったり、どこか他人事のようなイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか? しかしながら、婚約破棄は日常にありふれている訳ではありませんが、どのご家庭でも起こる可能性のある話です。

「婚約破棄」とは、結婚を約束し正式に婚約した二人が、何らかの事情で婚約を取り消すことを指します。

婚約破棄は、基本的には双方の責任として対処します。理由としては、婚約までをお互いが納得した上で進めてきたことなので、婚約の解消・破棄も双方の責任となるからです。

婚約破棄の主な理由としては、「性格の不一致」「価値観の違い」「他に好きな人が出来てしまった」「相手の家族と上手くやっていけそうにない」などが挙げられます。

基本的には、当事者(子どもたち)同士の話し合いで対処を決めます。もし、話し合いがつかないところまで行ってしまった場合は、可能な限り第三者の介入を依頼しましょう。親が出て行きたい気持ちもわかります。しかし、感情的になってしまっては、元も子もありません。ですから、直接、親が入って話し合うよりも、信頼できる第三者などに間に入ってもらうのが良いでしょう。

婚約破棄後の、式場関連の手続きなどは、できるだけ本人たちに任せます。あまり親が前に出るのではなく、子どもに手助けを頼まれたときに初めて、手を差し伸べましょう。

婚約破棄のエピソード

婚約破棄には、様々なパターンがあります。結納や顔合わせ後に婚約破棄となったケースや、結婚の約束をしたけれども正式な儀式はまだ行っていないというケースなど、状況はそれぞれ異なります。ここでは、実際にあった婚約破棄のエピソードの一部をご紹介いたします。

相手の家族と上手くやる自信がなくなり、婚約破棄

長年交際し、同棲もしていて両家とも公認の仲だった二人。プロポーズをすませ、両家の顔合わせも終えていました。結婚式の会場が決定した矢先、女性側から突然、婚約破棄の申し出があったのです……。

その理由として、女性は次のようにおっしゃっていました。

「当初から、威圧的な男性側の家族の態度が気になっていました。長い結婚生活のことを考えると不安でしたが、“彼と結婚したいから!”と、そうした気持ちを誤魔化していました。しかし、彼のご家族から酷い態度を取られることは続き、彼もフォローはしてくれませんでした。

いざ結婚が現実味を帯びてくると、会うのは時々とはいえ、そうした方たちと家族になるのが怖くなりました。一生家族でいるのは無理だと思ったので、婚約破棄をしました」

元交際相手と復縁したので、婚約破棄

続いてご紹介するのは、プロポーズは行われていませんでしたが、結婚の約束をし、両家ともに公認の間柄だった二人のお話です。結婚式の日取りは決まり、共同で結婚資金を貯めたり、住む場所などを探し始めていた矢先に、男性から「別れてほしい」との申し出がありました。

理由は、「昔の恋人と復縁し、二股の状態になってしまったから別れたい」とのことでした……。結納などの正式な婚約の儀式はしていませんでしたが、本人たち並びに両家の認識では婚約している状態でした。

婚約破棄したらすること

正式な婚約の後の婚約破棄は、式場のキャンセル手続きなど、やらなければいけないことがあります。悲しんでいる時間はありません。出来るだけ早く対処するよう、心がけましょう。

式場やお祝いなどへの対応

式場の予約金や、頂いたお祝いなどの対処は、基本的には両家で折半して支払います。ただし、これは婚約破棄の理由によります。明らかに相手側が悪い場合は、相手に全て負担してもらいましょう。

既に結婚式場が決定している場合は、挙式予定日までの日数によってキャンセル料が変動することが多いので、早めに対処することをお勧めします。

また、頂いたお祝いに関しては、同程度の金額を目安にし、商品券などを返すことがマナーとされています。

すでに招待状を発送した場合

既に結婚式の招待状を送っている場合は、当事者である子どもたち二人の連名、もしくは個別に解消通知を出すか、電話で連絡を入れます。

購入済みの衣装や家具

購入した側が、引き取るのが一般的とされています。基本的には双方の話し合いで、不要なものは売却するか処分するかを決めましょう。

婚約指輪やお礼のスーツ

お互いに贈り合ったものは、返却するのが基本です。しかし、当事者である子ども同士が「今さら、受け取れない」と思う場合は、売却や他の人に譲るなど、双方の話し合いで決めましょう。

損害賠償請求する場合

残念ながら、世間には「結婚を約束していたはずの二人が、婚約破棄したことにより賠償問題にまで発展してしまった」という例もあります。賠償問題にまで発展する理由としては、「多額の借金を隠していた(騙していた)」や「交際中に、自分以外にも特定の異性がいた」など、明らかに相手側に問題がある場合です。その場合は、弁護士などを通して請求できるケースもあります。

ただし、請求できるのは、不当な理由があった場合のみ。例えば、性格の不一致や、価値観の違いなどのお互いが原因だと考えられる理由は、“不当な理由”にはなりませんので、ご注意ください。

まずは子どものメンタルケアを

婚約破棄をされた時、一番辛いのは当事者である子ども自身です。「相手を見る目がない」「どうして、あんな相手と婚約したんだ!?」などと子どもを責めたりせずに、そっと見守りましょう。

考えようによっては、結婚した後に「性格の不一致」や「特定の交際相手が他にいた」などが判明して、離婚をするよりも良かったかもしれません。

なかなかすぐには「婚約破棄してよかった」と思えないのが現実ですが、時間が解決してくれることもあります。また、子どもにとっても、親にとっても自分の人生や幸せについて、改めて考え直すきっかけにもなるでしょう。

婚約破棄になってしまった直後は、必要以上に子どもに根掘り葉掘り探ったり、責めたりせずに、子どもを信じてそっと寄り添いましょう。

最後に

我が子が「婚約破棄」という事態に見舞われたら、親としては相手を非難したくなる気持ちもわかります。しかしながら、あくまでも「出しゃばりすぎずに見守る」気持ちでいることが大切です。

子どもが助けを求めた時には、どうぞ手を差し伸べてあげてください。結婚は「縁」です。必ず、我が子は幸せになると信じて、傍で見守ってあげてくださいね。

監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/

構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
https://kyotomedialine.com FB

 

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