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デミタスは、少量のコーヒーを飲むときに使う小さなカップです。

19世紀後半にヨーロッパを席巻したジャポニスム、アール・ヌーヴォー、アール・デコのデザインなど当時の流行を反映したデザインのデミタスカップが、19~20世紀にヨーロッパの名窯から続々と生み出されました。

「デミタスカップの愉しみ」展はヨーロッパの優れた名工たちが生み出した作品の数々を紹介する展覧会です。(6月10日~8月27日)

本展の見どころを、兵庫陶芸美術館の学芸員、岡田享子さんにうかがいました。

「本展は、2000点を超える村上和美氏の所蔵品の中から、珠玉の約380点を厳選してご紹介します。

カミーユ・ノド(フランス)《プリカジュール草花文カップ&ソーサー》
1900年頃
村上和美蔵

カミーユ・ノド作のカップ&ソーサー。純白の器肌には、草花のデザインが透かし彫りであらわされ、赤、緑、青のエナメル七宝が施されています。光が当たった部分は、まるでステンドグラスのように文様が透けてみえる可憐な作品です。

マイセン(ドイツ)《貼り付け花鳥とスノーボール蓋付きカップ&ソーサー》
1860-1880年
村上和美蔵

マイセンで作られた作品。丸みを帯びたカップと蓋には、白い磁器の花が器面いっぱいに貼り付けられています。「スノーボール」と呼ばれる華やかなこの装飾は、マイセンの定番の技法として知られています。

ロイヤルウースター(イギリス)《金彩ジュール透かし彫りカップ&ソーサー》
1880年頃
村上和美蔵

ロイヤルウースター作の、淡いピンクや水色で彩られたカップ&ソーサーは、透かし彫りが器面を飾る名品です。

透かし彫りの名工である、ジョージ・オーウェンによる精緻な技は、他を圧倒する美しさです。

錦光山(日本)《京薩摩金彩龍文カップ&ソーサー》
1800年代後期
村上和美蔵

ヨーロッパ各地にコーヒーを飲む文化が広まると、デミタスカップは世界中で作られました。京薩摩の錦光山は、19世紀末(明治時代)にカップ&ソーサーの製作を始め、欧米に向けて輸出されました。

6月21日(水)、7月4日(火)、8月9日(水)には、珈琲鑑定士である香月麻里氏(UCCコーヒーアカデミー専任講師/UCCコーヒー博物館学芸員)をお招きし、コーヒーセミナーを開催します。コーヒーカップのこぼれ話、コーヒーのテイスティングの後、オリジナルコーヒーと特製スイーツのペアリングをお楽しみいただきます。またとないこの機会に、どうぞお越しください」

小さくても圧巻の存在感!! 思わず見入ってしまいます。会場でじっくりご堪能ください。

【開催要項】
デミタスカップの愉しみ
会期:2023年6月10日(土)~8月27日(日)
会場:兵庫陶芸美術館
住所:兵庫県丹波篠山市今田町上立杭4
電話:079・597・3961
開館時間:10時から18時まで、ただし、7・8月の土日祝は9時30分から
(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日、ただし、7月17日(月・祝)は開館し、7月18日(火)は休館
公式サイト:https://www.mcart.jp
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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