部屋に貼られた謝罪文に、義母は何も言わない
謝罪文の他にも、その日にやらないといけないことを朝一番に紙に書かされる時間があるという。
「『バカなんだから忘れちゃうでしょう』と妻は笑いながら私に言ってきます。最初はその物言いに腹が立っていたのに、今はまったく何も思わなくなりました。また始まったなって思うくらいです。
こんな状況を誰にも知られたくないので、誰にも相談できないんです。妻も外面はとてもいいので、そうだと思っていたのですが……」
妻の光一さんへの行動は妻の母親に筒抜けだった。そのモラハラ行動には妻からの言い分が含まれて義母には伝わっており、子どもがいないことも光一さんのせいになっているそう。
「私が頼りないから、夫婦生活を持ちたいと妻が思わないんだそうです。義母は家に遊びに来たときに見えるとこに貼られている謝罪文や、その日の家事負担の紙を見ても何も言いません。あぁ、何も思わない家庭で妻は育ったんだなって、全てを諦めました」
光一さんは妻に対して諦めをよく口にしていたが、冒頭で紹介したアンケートでも、モラハラ妻の治し方についての回答は、1位「治らない」10%、2位「離婚する」9%、3位「無視」4%となっている。最も多かった回答は「特になし・わからない」で53%であり、1位から3位までを合わせると76%の人が既に諦めているよう。現状を脱しようとする考えまで奪ってしまうのが、ハラスメントの怖い部分である。
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。